研究課題/領域番号 |
17013033
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
木南 凌 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40133615)
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研究分担者 |
三嶋 行雄 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30166003)
小幡 美貴 新潟大学, 医歯学系, 教務職員 (00420307)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / 細胞増殖 / アポトーシス / リンパ腫 / Bcl11b遺伝子 |
研究概要 |
1. Bcl11b/Rit1はリンパ腫および腸管腫瘍のがん抑制遺伝子として機能することが分かってきた。その発がん抑制機構を知るため、以下の解析を行った。 (1) Bcl11bの機能ドメインの解析 : 種々のBcl11b-GST融合タンパク質を作製し、DNA結合能を検討した。その結果、2番目と3番目の亜鉛フィンガードメインを含む領域にDNA結合性が示された。転写調節に関与する6番目のドメインと機能分担していることが示唆された。 (2) Bcl11bの一過性強発現レポーターアッセイ系で、Bcl11bの発現によりp27 kip1の転写活性は抑制された。また、Jurkat細胞を用いたChIPアッセイ法でクロマチン結合性を検討した。その結果、Bcl11b抗体と共にp27 kip1の転写開始点上流の配列が沈降し、Bcl11bはp27 kip遺伝子の転写調節に関与していることが示された。 2. Ikaros-siRNA発現レンチウイルス作製は完了したが、残念ながら発がん段階特異的に抑える実験系とはならなかった。培養細胞レベルでもIkaros抑制による抗アポトーシス作用は期待より小さく、強い細胞障害性という副作用がみられた。一方、Bcl11b-siRNA発現レンチウィルスの作製が完了した。しかし、Bcl11bの発現抑制は、細胞のアポトーシスを誘導し、発がん抑制効果を検討する選でに至っていない。 3. Bcl11b遺伝子の皮膚がん発症への関与の有無を検討している。Bcl11bは皮膚で発現し、KOマウスの皮膚は低形成である。Bcl11bのコンディショナルKOマウスを作製し、皮膚がんを発症すras-Tgマウスと交配を行っている。しかし、まだ皮膚がん発症を観察する時期に至っていない。 4. ヒト大腸がんでBcl11b/Bcl11b変異検索を行った。一部に変異は検出されたが、その変異のもたらす意義は結論を得ていない。 5. 19番染色体上のがん抑制遺伝子候補領域が特定されたので、候補遺伝子を探索した。データベースの利用および変異検出を試みなが、今のところ特定の遺伝子に変異はみつかっていない。
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