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2005 年度 実績報告書

突然変異誘導因子AIDによる発がん機構

研究課題

研究課題/領域番号 17013042
研究機関滋賀県立成人病センター(研究所)

研究代表者

木下 和生  滋賀県立成人病センター(研究所), 遺伝子研究部門, 専門研究員 (50293874)

キーワード突然変異 / 体細胞突然変異 / クラススイッチ組換え / AID / Creリコンビナーゼ
研究概要

発がんにおける突然変異の原因として外的な化学的・物理的要因が従来重視されてきたが、これらが生体で実際にがんに導く突然変異を誘発しているのか、最近の報告からは疑問視されている。逆に内在的な突然変異因子と外的因子の相互作用が注目を浴びはじめてきた。その内的因子のひとつであるAIDのトランスジェニックマウスではTリンパ腫と肺がんが生じるが、それらのため早期に死亡し、他の組織での発がんが検討できない。この問題を解決するため、AIDの発現を時間空間的に制御可能なトランスジェニックモデルを作成した。Creリコンビナーゼの働きによりAID発現のスイッチが恒久的に入るコンディショナルトランスジェニックマウス(AID cTg)を作成した。(1)AID cTgとBリンパ球特異的にCreを発現するCD19-Creマウスとを交配させた結果、生まれたマウスにおいてはBリンパ球でのみAIDが構成的に過剰発現していたが、そのようなマウス12匹を20ヵ月にわたって観察したが、Bリンパ球腫瘍の発症は認められなかった。Tリンパ球と異なり、Bリンパ球ではAIDの活性が何らかの機構により抑制されている可能性が示唆された。(2)全身でモザイク的にCreを発現するTNAP-Creマウスと交配することにより種々の組織で中程度のAIDの過剰発現をみるマウスを作成した。このマウスを60週間観察すると肺や肝臓などで腫瘍の発生を認める個体が観察された。今後、匹数を増やして観察を継続することにより、AIDがどのような臓器にがんを生じせしめうるのか、どのような遺伝子に変異を誘導するのかについて解析を進めてゆく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Negative regulation of activation-induced cytidine deaminase in B cells2006

    • 著者名/発表者名
      Muto, T.et al.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A 103・8

      ページ: 2752-2757

  • [雑誌論文] Role of DNA polymerase theta in tolerance of endogenous and exogenous DNA damage in mouse B cells2006

    • 著者名/発表者名
      Ukai, A.et al.
    • 雑誌名

      Genes Cells 11・2

      ページ: 111-121

  • [雑誌論文] Evolution of class switch recombination function in fish activation-induced cytidine deaminase, AID2006

    • 著者名/発表者名
      Wakae, K.et al.
    • 雑誌名

      Int Immunol 18・1

      ページ: 41-47

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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