研究課題
特定領域研究
これまでに報告されているマウスモデルとは異なった変異を持つヒト多発性GIST家系のモデルとして、生殖系列にc-kit遺伝子のexon 17の機能獲得性突然変異を持つノックインマウスを作成した。組織学的な検索により、ヘテロ個体・ホモ個体では胃・大腸等にカハールの介在細胞の過形成がみられ、盲腸に1ヶのGIST相当の腫瘍が発生することが明らかになり、他のタイプのノックインマウスと類似した形質を示した。このノックインマウスのヘテロ個体を用いて、c-kit遺伝子産物(KIT)の小分子阻害薬であるイマチニブの盲腸GISTに対する腫瘍増殖抑制効果を検討し、1週間、2週間、4週間投与のいずれの場合にも肉眼的には明らかな腫瘍の縮小は見られず、計測体積の有意な縮小も見られなかったが、KITのシグナル伝達系は、KIT, Akt, Stat1のいずれもリン酸化が低下し、Ki-67の標識率も有意に低下しており、腫瘍縮小には至らないものの腫瘍増殖は抑制されているものと考えられた。類似のc-kit遺伝子産物(KIT)の小分子阻害薬であるニロチニブの盲腸GISTに対する様々な効果についても検討し、データの整理中である。
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