研究課題/領域番号 |
17013083
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高田 穣 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30281728)
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研究分担者 |
松下 暢子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30333222)
北尾 洋之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30368617)
平野 世紀 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20368616)
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キーワード | DNA修復 / DT40細胞 / ファンコニ貧血 / 相同DNA組み換え |
研究概要 |
好発がん性遺伝病ファンコニ貧血(FA)の原因遺伝子FANCG/C/D2/A/L、家族性乳ガン遺伝子関連のBRCA2(=FANCD1)、BRIP1(=FANCJ)の形成するFA経路は、染色体とゲノムの安定性に寄与し、発がん抑制に重要である。この経路の下流エフェクター分子FANCD2はDNAダメージ後、A/G/C/Lなどの上流FA蛋白によって形成されるコア複合体依存的に563番目のリジン(ヒトD2蛋白では561番目)がモノユビキチン化される。 我々はFANCD2のK563R変異のノックイン細胞作製や、ユビキチンとの融合蛋白(D2-Ub)の発現によって、モノユビキチン化がFANCD2のDNA修復機能に必須かつ十分であることを証明した。ユビキチンは細胞内の蛋白質局在の制御に関わる場面では受容体蛋白に結合し、その結合にはユビキチンの44番目のイソロイシンが重要であることが一般的に知られている。実際、D2-Ubのユビキチン部分の144A変異はD2-Ubのクロマチン移行を十分にサポートできず、ユビキチンとユビキチン受容体の結合がクロマチン移行に必要であると思われた。この受容体蛋白を同定するため、FANCD2とユビキチンの融合蛋白(D2-Ub)をFLAGタグによってプルダウンし、マスによる同定を行ったが、有望な候補の同定には至らなかった。そこで、D2-Ubをベイトとして酵母2-hybrid法スクリーニングをかけたところ、あるファンコニ関連蛋白が陽性となった。現在この分子についてさらに解析を進めている。
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