研究概要 |
新規p53標的遺伝子として、DFNA5, SEMA3F, BLNK, UNC5A, TMPS, NEEP21, Mieap遺伝子を同定し、その機能を明らかとして、p53によるがん抑制機能のメカニズムに新しい概念を提起した。特に、p53による細胞死誘導機能の新規経路のメディエーターとして、DFNA5, UNC5A, TMPS, NEEP21などを同定し、さらに、腫瘍血管新生抑制因子としてSEMA3Fを同定したことは、従来から重要とされてきたp53の機能に、新しいメディエーターを加え、それらのメカニズムの詳細な解明に大きく貢献できた。一方、BLNKは、細胞質分裂を抑制することで、ゲノムの安定性維持に関与することを明らかとし、さらには、Mieapは、ミトコンドリアの品質管理に全く新しい機序で貢献することを明らかとした。これらの成果は、p53の機能に全く新しいメカニズムを追加するだけでなく、がんの本態解明に大きく貢献しうると考えられる。
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