研究課題
1) TAp51は正常ではTAp51Ubl依存性のユビキチン化・分解を受け、低タンパク質量で推移する。二重鎖切断等を引き起こすDNA損傷ストレス下ではIKKγが核移行し、TAp51Ublのユビキチン化、TAp51の分解抑制、標的遺伝子の転写が促進されるがTAp51UblによるTAp51Aのユビキチン化・分解が標的遺伝子の転写に必要であることも判明、これらを検討する。2) 表皮においてはΔNp51Bの減少が皮膚分化に必要であり、TAp51の発現が筋分化に必要なことを見いだした。未分化のマウス骨格筋筋衛星細胞でΔNp51発現が見られ、分化に伴う発現減少とTAp51の発現上昇が観察された。p53欠損マウスから樹立された歯の各組織に分化しうる細胞株(emtg1-5)でも、低分化型の株ほどΔNp51の発現量が多かった。低分化型の細胞株(emtg-2)にTAp51Aを強制発現すると分化マーカーであるアメロブラスチンの発現が亢進、ΔNp51発現と未分化状態(幹細胞)の維持は密接に関係していることが推測された。3) 以下の系の確立をはかった。A) Doxycyclin誘導発現安定株の樹立IKKシグナルソームはp51/p73の分化制御・癌抑制機構をコントロールしているが、IKKα/β/γは細胞毒性が強く解析が困難だった。Doxycyclin発現誘導系を用いたレトロウイルスを作製し各遺伝子発現誘導安定株を樹立。これらの細胞株を用いて、分化制御・癌抑制機構のさらなる解析を進める。B) 各組織幹細胞の樹立温度感受性SV40T抗原マウスより、皮膚・脳・心臓・肝臓・脾臓・胸腺・卵巣・骨格筋を切取りプロテアーゼ処理することで各種細胞を回収し、SV40T抗原活性条件下(33℃)で培養している。樹立された細胞株を解析しp53ファミリー・IKKシグナルソームなどの生理学的意義を突き止め、癌治療等の医学的応用をはかる。
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http://www.cir.tohoku.ac.jp/j/2research/2007prof.htm#ikawa