研究課題
Vasohibin-1のヒトがん組織における発現についての解析を進め、子宮体癌においてもVasohibin-1は腫瘍血管内皮に証明され、その発現頻度は癌の組織分類が未分化のものほど高く、またVEGF2型受容体の発現と相関することを示した。ヒトVasohibin-1のELISA系を用いて血漿レベルの測定を可能にした。非小細胞肺癌患者の血漿レベルを測定したところ、術前に対して術後1週間で血漿レベルは有意に低下することが判明し、血管新生のバイオマーカーとしての臨床応用の可能性が示唆された。Vasohibin-1の作用機序解明の一環として、血管内皮細胞における標的遺伝子を明らかにすることを目的に、Vasohibin-1遺伝子を内皮細胞に導入し、遺伝子発現の変動をcDNAmicroarray法を用いて網羅的に検討した。発現変動する遺伝子のうち、血管新生に関連するものについて注目し、VEGF1型受容体(VEGFR1)及び可溶型VEGFR1の発現がVasohibin-1によって顕著に発現低下することを見出した。可溶型VEGFR1はdecoy受容体としてVEGF作用を阻害する内因性抑制因子であり、逆に可溶型VEGFR1遺伝子を内皮細胞に導入すると、Vasohibin-1遺伝子の発現は有意に低下した。以上より、これら2つの内因性抑制因子は、互いにバランスを取り合って血管新生調節に関わっていることが示唆された。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (14件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Cancer Sci. 99
ページ: 914-919
Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 28
ページ: 604-605
J. Cell. Physiol. 211
ページ: 708-715
Endocrinology 148
ページ: 1412-1423
http://www.idac.tohoku.ac.jp/dep/vascbio/