研究課題/領域番号 |
17014011
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 徹 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70150745)
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研究分担者 |
中村 勉 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30302798)
川崎 善博 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (10376642)
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キーワード | がん抑制遺伝子 / APC / Wnt / Asef / 細胞運動・浸潤 / beta-catenin / カドヘリン / RICS |
研究概要 |
1.APCによって活性化されるGEF分子Asefを見出し機能を解析した。1)Asef2-/-マウスを作製し、APCに胚性変異があり腸管に多数の腺腫を発症するMinマウスとかけあわせたところ、Asef-/-マウスの場合と同様に腺腫の発症が激減することが明らかとなった。Min;Asef-/-Asef2-/-マウスではほとんどポリープができなかった。したがって、変異APC断片によるAsef、Asef2の活性化は腺腫発症に決定的に重要な役割を果たしていると考えられる。2)APC-Asef複合体はMMP-9の発現増大を引き起こし、細胞の浸潤能の亢進を誘導することを明らかにした。3)HGF、Bfgf、EGFシグナルによりAPC-Asef複合体量が増加すること、これらのシグナルによる細胞運動活性化にはPHドメインが重要であることを明らかにした。4)Asef-/-マウスは網膜の血管新生など正常な血管新生にも必要であることを見出した。 2.APCはsplicing factor Sam68と複合体をつくりTCF-1Eの発現増大を引き起こし、Axin、DKK、LEFなどの発現を増強することを明らかにした。 3.Beta-catenin結合蛋白質として見出したCdc42のGAP分子RICSがカドヘリン、beta-catenin、FGF受容体4のER、Golgiから細胞膜への輸送に関与することを明らかにした。
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