研究課題
我々はすでにマウスの胎児肝芽に発現する細胞膜抗原としてDlkとEpCAMを同定しており、この分子の発現を指標に未分化細胞を分離し培養により解析した結果、EpCAM+Dlk++細胞が最も初期の肝幹細胞でありEpCAM-Dlk+を経て肝細胞と胆管上皮細胞へと分化することが明らかになった。一方、成体肝臓においては、DDCで肝障害を誘導すると門脈域にCK-19+のオーバル細胞が出現し、これが成体月刊蔵における幹細胞とみなされていた。我々は、このオーバル細胞にEpCAMが発現することを示した。DDCでオーバル細胞を誘導してEpCAM陽性細胞を分離して培養した結果、増殖能と肝細胞と胆管上皮細胞への分化能を併せもつ幹細胞が存在することが明らかになった。さらに、正常な肝臓の胆管もEpCAMを発現していることから、ここにも幹細胞が存在する可能性を検討した。正常肝臓に少数存在するEpCAM陽性細胞を2段階のsortingにより分離して培養すると、やはり幹細胞としての性質を示す細胞が存在することが明らかとなった。さらに、DDC投与の有無で幹細胞の性質をもつ細胞の頻度を比較検討した結果、DDC投与によって幹細胞が劇的に増加しないことから、DDCで増殖するEpCAM陽性細胞は幹細胞ではなく一過性に増殖する細胞であることが示唆された。
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