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2008 年度 実績報告書

がん細胞の細胞運動とその制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17014018
研究機関神戸大学

研究代表者

竹縄 忠臣  神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (40101315)

キーワード間葉系細胞 / アメーバ様細胞 / Rac / WAVE2 / がん浸潤
研究概要

ほとんどのがんは上皮系組織で生じる。その後、原発巣から離脱し浸潤、転移していく。原発巣から離脱する際に、上皮-間葉移行が起こり、単細胞がんとなり、更には間葉-アメーバ移行が生じ、更に浸潤、転移をし易くなると言われる。しかし、どのような機序でがん細胞がこれらの形質転換を起こすのか明らかではない。
3次元マトッリクス中でのがん細胞の運動には2種類ある。細長い細胞の間葉系細胞様の運動と丸い細胞のアメーバ様運動である。アメーバ様運動はアクトミオシンによる収縮が運動の動力発生でmRho/ROCKで制御されている。一方、細長い間葉系の細胞の運動機序は明らかではなかった。我々は間葉系細胞の運動はRacで制御され、WAVE2/Arp2/3による葉状仮足形成がその駆動力になっている事を明らかにした。Racシグナルの細胞運動への関与も3次元中で細長い形の間葉系細胞でも、まちまちであった。U87MGグリオブラストーマでは、ほとんどが間葉系細胞様の動きをした。この細胞のRacのシグナルを抑制すると細胞の浸潤は阻害された。HT1080細胞はその形が細長いのと丸いのとの混合で、混合型の細胞運動を示した。Racシグナルの抑制は間葉系の細胞からアメーバ様の細胞へとの移行を生じ、細胞の浸潤は抑制されなかった。しかし、HT1080細胞のRacとRhoの両方のシグナルを抑制すると浸潤は著明に阻害された。これらの結果から細胞の浸潤はRac系とRho系の両方のシグナルで制御され、がん細胞は状況に応じて間葉系からアメーバ様にまたアメーバ様から間葉系にその運動形式を変える事ができることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Involvement of Rac and Rho signaling in cancer cell motility in 3D substrates2009

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki D., Kurisu S., and Takenawa T.
    • 雑誌名

      Oncogene

      ページ: (掲載予定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased insulin action in SKIP heterozygous knockout mice2008

    • 著者名/発表者名
      Ijuin T., Yu Y.E., Mizutani K., Pao A., Tateya S., Tamori Y., Bradley A., and Takenawa T.
    • 雑誌名

      Mol. Cell Biol 28

      ページ: 5184-5195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sequential signals toward podosome formation in NIH-src cells2008

    • 著者名/発表者名
      Oikawa T, Itoh T, Takenawa T.
    • 雑誌名

      J_Cell Biol 182

      ページ: 157-169

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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