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2008 年度 実績報告書

蛋白質リン酸化シグナルとがん細胞の異常増殖

研究課題

研究課題/領域番号 17014030
研究機関東京大学

研究代表者

山梨 裕司  東京大学, 医科学研究所, 教授 (40202387)

研究分担者 樋口 理  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50361720)
キーワードシグナル伝達 / 蛋白質 / 細胞・組織
研究概要

チロシンキナーゼは癌細胞の増殖制御に深く関与する機能分子である。代表者らはその制御機構を解明する目的で、多様なチロシンキナーゼの共通基質として独自に単離したDok-1 (p62^<dok>)とその類縁分子の発癌における病態生理学的な機能と作用機序の解析を進めている。これまでの研究から、我々は造血細胞に選択的に高発現するDok-1とDok-2が一般にサイトカインや抗原による血球の増殖・生存シグナルを負に調節し、その腫瘍化や炎症性の自然免疫応答に対して抑制的に機能することを解明している。また、非造血系細胞においても、Dok-1の発現が誘導され、Erkシグナルを負に調節するシグナル経路の存在を報告している。本年度の研究においては、造血細胞に高発現するもうひとつのDQkファミリー分子であるDok-3とDok-1/2との機能的な重複について検討し、三者のシグナル分子が協調的に機能することによって造血器腫瘍の悪性化を抑止していることを見出した。
他方、我々が受容体型チロシンキナーゼであるMuSKの細胞内からの活性化因子として新規に同定したDok-7については、MuSKの細胞外ドメインのみならず、膜貫通領域もがDok-7による活性化に不要であることを明らかにした。そこで、他の細胞内因子からの影響を排除する為に、大腸菌で産生し、精製したMuSKの細胞内領域(MuSK-cyt)とDok-7を用いた試験管内リン酸化反応実験を実施したところ、Dok-7によるMuSK-cytの活性化が確認された。本知見は、細胞内アダプター様分子による直接の活性化と言う、受容体型チロシンキナーゼの新たな制御機構を提示するものであり、がん細胞における受容体型チロシンキナーゼの細胞外リガンド非依存的な活性化との関連も含め、現在、その詳細な分子機構の解析を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Dok-7 activates the muscle receptor kinase MuSK and shapes synapse formation2009

    • 著者名/発表者名
      Akane lnoue, 他
    • 雑誌名

      Science Signaling 2(ra7 (インターネット雑誌))

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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