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2006 年度 実績報告書

がん細胞の分化・極性の制御と増殖因子受容体

研究課題

研究課題/領域番号 17014032
研究機関東京工業大学

研究代表者

喜多村 直実  東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (80107424)

キーワードがん細胞の分化・極性 / 増殖因子受容体 / HGF受容体(c-Met) / シグナル伝達 / 細胞周期 / 増殖因子受容体のユビキチン化 / 脱ユビキチン化酵素UBPY / エンドソーム
研究概要

がん細胞の分化・極性の制御に関わる増殖因子受容体のシグナル伝達および細胞内局在について解析し、以下の結果を得た。
1.がん細胞の分化制御の機構を理解するためには、G1期での細胞周期の停止のメカニズムを明らかにすることが重要である。肝細胞増殖因子(HGF)は肝がん由来細胞株HepG2に作用して、ERKの強い活性化を介して細胞周期をG1期で停止することにより増殖を抑制する。本研究ではまずRas/ERK経路を制御する種々の因子について解析を行った。その結果、HepG2細胞ではアダプター蛋白質Gab1が高発現していることを見出した。またsiRNAによりGab1をknockdownした細胞では、ERKの活性化が抑制され、HGFによる増殖抑制が阻害された。この結果は、ERKの強い活性化にはGab1が重要な役割を果していることを示している。次にERKの強い活性化により発現上昇が起る細胞周期制御因子であるcdkインヒビターp21について解析した。siRNAによりp21をknockdownした細胞では、増殖抑制が阻害された。この結果は、p21がHGFによる細胞周期の停止に重要な役割を果していることを示している。
2.がん細胞における極性の変化と増殖因子受容体の局在は密接に関係している。受容体の局在にはユビキチン化が重要であり、ユビキチン化の制御には脱ユビキチン化酵素が関与している。本研究ではEGF受容体のユビキチン化を制御している脱ユビキチン化酵素UBPYについて解析した。Yeast Two-hybrid法を用いてUBPYの結合タンパク質をスクリーニングし、CHMP4Bを同定した。CHMP4BをHeLa細胞に過剰発現すると、UBPYがCHMP4Bポジティブなエンドソームに蓄積し、またEGF受容体のユビキチン化レベルが上昇した。これらの結果は、CHMP4BはUBPYの局在を制御することにより、UBPYのエンドソームでのEGF受容体の脱ユビキチン化機能を調節していることを示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Clathrin anchors deubiquitinating enzymes, AMSH and AMSH-like protein, on early endosomes2006

    • 著者名/発表者名
      M.Nakamura
    • 雑誌名

      Genes to Cells 11

      ページ: 593-606

  • [雑誌論文] A deubiquitinating enzyme UBPY regulates the level of protein ubiquitination on endosomes2006

    • 著者名/発表者名
      E.Mizuno
    • 雑誌名

      Traffic 7

      ページ: 1017-1031

  • [雑誌論文] Inhibitory effect of c-Met mutants on the formation of branching tubules by a porcine aortic endothelial cell line2006

    • 著者名/発表者名
      M.Maemura
    • 雑誌名

      Cancer Sci. 97

      ページ: 1343-1350

  • [雑誌論文] The Ca^<2+>-binding protein ALG-2 is recruited to ER exit sites by Sec31A and stabilizes the localization of Sec31A2006

    • 著者名/発表者名
      A.Yamasaki
    • 雑誌名

      Mol. Biol. Cell 17

      ページ: 4876-4887

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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