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2005 年度 実績報告書

定量的可視化法による癌細胞でのラフト破綻の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17014042
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤本 豊士  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)

研究分担者 藤田 秋一  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60282232)
大崎 雄樹  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 研究員 (00378027)
キーワード癌 / ラフト / ガングリオシド / 定量 / GM1 / GM3 / コレステロール
研究概要

細胞膜にはスフィンゴ脂質,コレステロールなどで形成される脂質ラフトが存在すると仮定され,ラフトにはH-Ras, Srcなどシグナル伝達に係わる分子が集中すると考えられている.ラフトの破綻は細胞増殖制御の異常に直結すると予想される.しかしラフトは温度変化,プローブ結合などで容易に変動すると予想され,生きた細胞でのラフトの実体については多くの議論がある.我々は生きた細胞でのラフトの有無や諸性質を知り,シグナル伝達過程の異常との関係を検索するために急速凍結・凍結割断レプリカ標識法を用いた検索方法の開発と応用を目的として研究を進めている.
今年度はラフトを構成する分子であるGM1,GM3について実験を行い,分布をRipleyのK関数などで解析して以下の結果を得た.1)マウス線維芽細胞では半径約50nmのクラスターを形成する領域が大半を占め,一個の細胞は全域で同一の分布パターンを示した.2)クラスターはGM1の分布密度にかかわらず存在した.3)コレステロールを減少させた細胞あるいは4℃で処理した細胞では,クラスター分布の領域は減少し,大半の細胞でランダムな分布を示す領域との混在が見られた.4)GM3もクラスター分布を示すが,GM1,GM3は共通のクラスターを形成する場合と,別々のクラスターを形成する場合があった.これらの結果は,GM1がクラスターを形成し,コレステロール依存性に変化する点でラフト説を支持する.一方,コレステロール減少や低温による変化がクラスターの解消ではなく,ランダム分布との混在をもたらすことを初めて明らかにした.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Rab18 localizes to lipid droplets and induces their close apposition to the endoplasmic reticulum-derived membrane.2005

    • 著者名/発表者名
      Ozeki, S., J.Cheng, K.Tauchi-Sato, N.Hatano, H.Taniguchi, T.Fujimoto
    • 雑誌名

      J.Cell Sci. 118

      ページ: 2601-2611

  • [雑誌論文] Anti-calreticulin antibody binds to a membrane protein in caveolae.2005

    • 著者名/発表者名
      Nomura, R., T.Aoki, H.Hagiwara, T.Fujimoto
    • 雑誌名

      Acta Histochem.Cytochem. 38

      ページ: 43-52

  • [雑誌論文] Fixation and permeabilization protocol is critical for immunolabeling of lipid droplet protein2005

    • 著者名/発表者名
      Obsaki, Y., T.Maeda, T.Fujimoto
    • 雑誌名

      Histochem.Cell Biol. 124

      ページ: 445-452

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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