研究課題/領域番号 |
17014044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90281089)
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研究分担者 |
月田 早智子 京都大学, 医学部, 教授 (00188517)
久保 亮治 京都大学, 医学研究科, 助手 (70335256)
足立 誠 京都大学, 医学研究科, 助手 (30335244)
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キーワード | がん / 細胞接着 / クローディン / ERM蛋白質 / タイトジャンクション / アドヘレンスジャンクション / メルリン / トリセルリン |
研究概要 |
本研究では、「上皮細胞接着間構造」と「ERMタンパク質とメルリン」の解析を通して、分子レベルで上皮細胞特有の増殖分化、運動の理解を深めることを目指した。本年度の主な成果は以下の通りである。 1.タイトジャンクションの接着分子クローディンの個体レベルでの機能の理解のために、クローディンノックアウトマウスの作製と解析を続けた。クローディン19ノックアウトマウスが、末梢神経シュワン細胞のタイトジャンクションの機能不全から、さまざまな行動異常を示すことを明らかにした。 2.上皮間充織転換を引き起こす転写因子Snailによって発現が抑制される遺伝子をDNAチップでスクリーニングすることにより、上皮細泡間接着構造に局在する新規タンパク質の同定を試みた。その結果、上皮細胞のトリセルラータイトジャンクションに濃縮する新規膜タンパク質として世界で初めての報告となるトリセルリンを同定し,このタンパク質がタイトジャンクション全体の構築とバリア機能に必須であることを明らかにした。 3.上皮細胞の極性形成を解析する上で重要なアピカル膜の形成維持機構にアプローチするためには、われわれの研究室で発見・同定されてきたERM蛋白質および近縁の癌抑制蛋白質メルリンの解析が重要課題のひとつである。今年度メルリンに結合能のある蛋白質が細胞の接触阻害にかかわることが明らかとなり、現在詳しい機能解析を行っている。 4.ジャンクション画分を用いたプロテオミクス解析の結果、アドヘレンスジャンクションに濃縮するいくつかの新規蛋白質を今年度同定することができ、現在機能解析を行っている。
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