研究課題/領域番号 |
17014044
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
古瀬 幹夫 神戸大学, 医学研究科, 教授 (90281089)
|
研究分担者 |
小田 裕香子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70452498)
佐々木 博之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60170693)
中尾 和貴 神戸大学, 独立行政法人理化学研究所, 研究員 (20217657)
|
キーワード | 上皮細胞 / 細胞間接着 / タイトジャンクション / クローディン / ユビキチン化 |
研究概要 |
1.タイトジャンクション(TJ)のバリア機能の解析 : 腸管上皮細胞に発現するクローディン7遺伝子欠失マウス作製のために昨年度得たキメラマウスから多数のF1を得たが、生殖系列への寄与が全く見られなかったため、組換えES細胞の作製からやり直した。3系統の組換えES細胞それぞれから新たにキメラマウスを得た。 2.トリセルラージャンクション(TcJ)の解析 : 我々のグループが同定した新規TcJ横成膜タンパク質(本報告書ではTRCXとする)をRNA干渉法によって発現抑制させた上皮細胞株を解析した結果、既に報告されているTcJの機能タンパク質であるトリセルリンがTcJに集積しないことが明らかになった。一方、トリセルリン発現抑制細胞ではTRCXはTcJに局在した。したがって、TRCXはTcJ形成においてトリセルリンの上流にて機能し、トリセルリンをTcJにリクルートする役割があることを明らかにした。TcJ形成のメカニズムの核心に迫りつつある。 3.TJの機能解析 : TJの接着分子であるクローディン1の細胞質領域に結合する新規タンパク質としてE3ユビキチンリガーゼであるLNX1を同定し、その機能を解析した。TNX1はクローディンのポリユビキチン化を促進する活性を有し、LNX1を上皮細胞株MDCK細胞に強制発現させるとクローディンがTJから消失し、TJの構造と上皮のバリア機能が脆弱になった。さらにこの細胞で、LNXI1はクローディンと共に後期エンドソーム、リソソームにも局在した。以上より、クローディンのユビキチン化が、その細胞内取り込みと分解を促進するという、TJの再編成の制御に関する新しい分子機構を提唱した。
|