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2005 年度 実績報告書

ケモカインCXCL12のがん細胞の動態、血管形成における作用機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17014051
研究機関京都大学

研究代表者

長澤 丘司  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)

キーワードケモカイン / 骨髄 / 転移 / 血管形成 / ホーミング
研究概要

我々は、ケモカインCXCL12(SDF-1/PBSF)がBリンパ球の生成、発生過程における造血幹細胞や始原生殖細胞の骨髄、生殖腺へのホーミング、臓器特異的な血管形成に必須であることを見出した。最近、CXCL12発現細胞が、造血におけるニッチ細胞であることを示唆した。一方、腸管特異的な血管形成機構においては、CXCL12の作用点を明らかにした。血管形成は、がんの進展に重要であることは知られているが、近年、CXCL12が、種々のがん細胞の転移にも関与することが次々と報告されている。本研究では(1)臓器間、臓器内の細胞間相互作用や細胞動態の制御におけるCXCL12の作用機構及び(2)CXCL12の血管形成における機能を明らかにすることを目的とした。本年度の成果は以下の通りである。
1.血液細胞のCXCL12依存的な臓器へのホーミングの機序
骨髄球系列特異的にCXCR4遺伝子を欠損するマウス骨髄のGr-1+骨髄球細胞を蛍光ラベルし静注し、経時的にGr-1+細胞と血管内皮細胞、CXCL12発現細胞への局在を共焦点顕微鏡を用いて解析したところ、CXCR4遺伝子の欠損により、骨髄腔内でのGr-1+細胞の維持が障害されていることが明らかとなった。
2.がん細胞や血液細胞の骨髄へのホーミングにおけるCXCL12の役割、及びその作用機構の解析
がん細胞を移植することにより、その浸潤、転移におけるCXCL12、CXCL12発現細胞、血管内皮細胞の役割、作用機構が解析可能となるコンディッショナルCXCL12遺伝子欠損マウスを作製するための遺伝子改変ES細胞の樹立に成功した。
3.CXCL12、CXCR4の血管形成における役割
血管内皮細胞特異的CXCR4遺伝子欠損マウスにおいて、成体の血管形成における異常を見出した。表現型の詳細を解析中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Microenvironmental niches in the bone marrow for B-cell development.2006

    • 著者名/発表者名
      Nagasawa, T.
    • 雑誌名

      Nat.Rev.Immunol. 6・2

      ページ: 107-116

  • [雑誌論文] Reduced retention of radioprotective hematopoietic cells within the bone marrow microenvironment in CXCR4-/- chimeric mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Foudi, A.
    • 雑誌名

      Blood 107・6

      ページ: 2243-2251

  • [雑誌論文] The role of CXCL12 in the organ-specific process of artery formation.2005

    • 著者名/発表者名
      Ara, T.
    • 雑誌名

      Blood 105・8

      ページ: 3155-3161

  • [雑誌論文] A CXCL12-CXCR4 chemokine signaling pathway defines the initial trajectory of Mammalian motor axons.2005

    • 著者名/発表者名
      Lieberam, I.
    • 雑誌名

      Neuron 47・5

      ページ: 667-679

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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