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2007 年度 実績報告書

骨環境と転移がん細胞のクロストーク

研究課題

研究課題/領域番号 17014058
研究機関大阪大学

研究代表者

米田 俊之  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80142313)

研究分担者 西村 理行  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (60294112)
キーワード癌 / 骨転移 / 疼痛 / 破骨細胞 / 骨芽細胞
研究概要

1.癌骨転移部位における転写因子HIFの重要性
癌における組織の低酸素化は古くから報告されてきたものの、骨転移におけるその生物学的意義は不明であった。そこで本研究計画では、乳癌の骨転移における低酸素環境の影響について検討した。その結果、乳癌の骨転移部の中心部は、転移癌周囲に比べて、酸素濃度が非常に低いことが判明した。そこで次に、低酸素環境下にて活性化される転写因子HIF-1の役割について検索した。乳癌骨転移動物実験モデルを用いて検討を重ねた結果、骨転移部において、HIF-1が活性化されており、乳癌の骨転移部位形成過程において重要な役割を果たしていることが判明した。これらの研究結果は、骨転移に対する新たな治療アプローチの開発に大きく貢献するものと期待される。
2.ビズフォスフォネートによる顎骨壊死のメカニズムの解明
乳癌、前立腺癌をはじめ、多くの骨転移性癌による骨吸収を抑止する治療薬としてビスフォスフォネート製剤が、非常に効果的である。しかしながら、近年、ビスフォスフォネートを投与された骨転移癌患者において、極めて重篤な顎骨壊死がしばしば認められ、臨床の場において、大きな問題となっている。現在までのところ、ビスフォスフォネートによる顎骨壊死に対する効果的な治療法ならびに発症メカニズムは、全く不明である。この点を明らかにするために、本研究では、顎骨壊死動物実験モデルを確立とその発症メカニズムの解明を試みた。その結果、ビスフォスフォネートは、骨組織における血管新生を阻害し、骨壊死を誘発している可能性が示唆された。さらにこの一因として、口腔内の特殊な細菌叢が関与していると推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Acidic microenvironment created by osteoclasts causes bone pain associated with mor colonization.2007

    • 著者名/発表者名
      Nagae, M, et. al.
    • 雑誌名

      J Bone Mine Metab 25

      ページ: 99-104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hypoxia and HIF-1 expression enhance osteolytic bone metastases of breast cancer2007

    • 著者名/発表者名
      Hiraga, T, at. al.
    • 雑誌名

      Cancer Res 67

      ページ: 4157-4163

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Her-2 overexpression increases the metastatic outgrowth of breast cancer cells in the brain.2007

    • 著者名/発表者名
      Palmieri, D, et. al.
    • 雑誌名

      Cancer Res 67

      ページ: 4190-4198

    • 査読あり
  • [学会発表] Zoledronic Acid Delayed the Wound Healing of Tooth Extraction Socket but Failed to Cause Osteonecrosis of the Jaw in Mice.2007

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Y
    • 学会等名
      アメリカ骨代謝学会
    • 発表場所
      ハワイコンベンションセンター
    • 年月日
      2007-09-18
  • [図書] 分子生物硬組織研究のイノベーション2008

    • 著者名/発表者名
      西村理行, ら
    • 出版者
      大阪大学出版会(印刷中)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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