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2006 年度 実績報告書

低分子量G蛋白質による細胞増殖の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17014061
研究機関神戸大学

研究代表者

片岡 徹  神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40144472)

研究分担者 島 扶美  神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60335445)
枝松 裕紀  神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70335438)
キーワード低分子量G蛋白質 / ras癌遺伝子 / rap1癌抑制遺伝子 / ホスホリパーゼC / 化学発癌 / グアニンヌクレオチド交換因子 / X線結晶解析 / インシリコ創薬
研究概要

1、Ras蛋白質の標的蛋白質ボスホリパーゼC_ε(PLC_ε)ノックアウトマウスがras癌遺伝子依存性の皮膚化学発癌に抵抗性を示す分子機構を解析した。PLC_εノックアウトマウスでは、ボルボールエステルTPA処理により誘導される浮腫を伴う皮膚の炎症反応や好中球の浸潤肥厚が強く抑制され、皮膚でのMIP-2を含む複数のサイトカインの発現低下が観察された。また、マウスを用いた他の炎症誘導実験系(大腸炎モデル、および接触皮膚炎モデル)においても、PLC_εノックアウトによる顕著な抑制が認められた。また、PLC_εノックアウトにより、APC遺伝子の変異を持つMin+/-マウスの腸の腺腫発生数の減少とその悪性化の顕著な抑制が認められたことから、PLC_εが炎症応答の調節を通じて発癌に促進的に働くことが示唆された。
2、Rap1特異的グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)であるRA-GEF-1の生体内機能の解析のためノックアウトマウスを作製したところ、卵黄嚢における脈管形成以上により胎生9.5日で致死性を示した。
3、Rap1特異的GEFであるRA-GEF-2が、M-Rasと結合してRap1を活性化し、TNFα刺激依存性のBリンパ球の細胞接着を仲介することを、RA-GEF-2ノックアウトマウスを用いて証明した。
4、M-Ras及びそのH-Ras型アミノ酸置換変異体のX線結晶解析により決定したGTP結合型ながら標的蛋白質との結合能力を持たない型(state1)の高次構造情報を基に、その有するポケットに嵌入しstate1を安定化する低分子化合物をインシリコ・スクリーニングにより探索し、試験管内でH-Rasとその標的蛋白質Rafとの結合を阻害する2個の化合物を同定した。また、RasファミリーG蛋白質のGTP結合/解離反応において、state1が重要な役割を有することを初めて証明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Ras and Rap1 activation of PLC_ε lipase activity2006

    • 著者名/発表者名
      Hironori Edamatsu, et al.
    • 雑誌名

      Methods in Enzymology 407巻

      ページ: 99-107

  • [雑誌論文] Phospholipase C_ε guanine nucleotide exchange factor activity and activation of Rap12006

    • 著者名/発表者名
      Takaya Satoh, et al.
    • 雑誌名

      Methods in Enzymology 407巻

      ページ: 281-290

  • [雑誌論文] Dynamic polymorphism of Ras observed by single molecule FRET is the basis for molecular recognition2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Arai, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 343巻3号

      ページ: 809-815

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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