研究課題/領域番号 |
17014068
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
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研究分担者 |
森本 千恵 愛媛大学, 医学部, 助手 (10332826)
檜枝 美紀 愛媛大学, 医学部, 特任助手 (00380254)
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キーワード | HB-EGF / Shedding / Transcriptional repressor / PLZF / Bcl6 / Pbx 1 / 小胞輸送 / 細胞増殖抑制 |
研究概要 |
膜型増殖因子proHB-EGFは細胞膜表面でsheddingを受け、カルボキシ末端断片(HB-EGF-CTF)を産生する。HB-EGF-CTFは速やかに核に移行し転写抑制因子PLZFと結合し、これを核外にくみ出す反応を惹起する。この基本的な実験結果を基に以下の5項目につき研究を推進した。 1:膜型増殖因子HB-EGF-CTFシグナルの独立操作系の開発 内在性フーリンによるHB-EGF-CTF産生用プラスミドを構築し、発現したところ、薬剤によるshedding誘導なしにHB-EGF-CTFが産生し、ER/核膜への移行を確認した。現在、本EIB-EGF-CTFによるPLZFの機能解除を解析している。(論文作成中) 2:標的リプレッサーのプロファイリング PLZFならびにBcl6のHB-EGF-CTF結合領域の解析からコンセンサス配列を予測し、これを基に各種遺伝子データーベースから隠れマルコフモデルを用いて検索を実施し、ヒトとマウス転写抑制因子をコードする遺伝子をそれぞれ479個、446個同定した(論文作成中)。 3:HB-EGF-CTFによって制御される遺伝子の機能解析 HB-EGF-Cの標的因子であるPLZFが制御する遺伝子をDNAマイクロアレイで解析した結果、転写因子Pbx1を同定した。現在、HB-EGF-CTF/PLZF/Pbx1の癌細胞増殖での役割を解析している。 4:HB-EGF-CTF核移行の分子機構解析 HB-EGF-CTF特異的抗体を開発し、HB-EGF-CTFはレトログレードの小胞輸送によりER膜まで輸送されることを免疫染色により確認した。現在、ER膜から核への移行につて解析を進めている。 5:HB-EGF-CTF阻害分子の開発(PLZF5-8/HB-EGF-C複合体の結晶化と構造解析、阻害分子設計)PLZF5-8/HB-EGF-C複合体の結晶化はPLZF5-8蛋白が不溶性であることから苦戦している。 PLZF5-8/HB-EGF-C複合体形成阻害剤のスクリーニングは、まず複合体測定システムを確立し、6000種の低分子化合物より行った。その結果、3化合物を同定し、その1化合物が細胞増殖抑制効果を示すことを観察した。
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