研究課題
組織構築の基本原理の一端とヒトがん組織における細胞の分化・極性の異常の具体的な様相を明らかとすることを目的として、細胞極性タンパク質aPKCを起点とした様々な解析を行い、下記の成果を得た。1) aPKC-PAR複合体の形成が、Tight Junctionの形成過程のみならず、アピカル膜の発達に関わる事を証明した。2) 前立腺癌の臨床検体を用いた解析から、再燃とaPKCの発現レベルが相関している事を見いだした。再燃のモデルと考えられている培養前立腺癌細胞を用いて、aPKCの高発現やKDがの効果と分子機構を検討し、aPKCがIL-6の転写と分泌を介して前立腺癌細胞のオートクライン増殖を担っていることを見いだした。3) 胃癌の臨床検体を用いた解析から、胃がんの再発とaPKCの発現レベルが相関している事を見いだした。その分子機構の解明が次の大きな課題となった。4) 乳癌の臨床検体を用いた解析から、70%の症例で、aPKCの高発現や細胞内局在異常を見いだした。同時に、数%以上の症例で、aPKCの高発現が認められた。5) 細胞極性タンパク質aPKCの乳腺上皮細胞特異的ノックアウトにより乳腺上皮の前癌病変を起こすマウスモデルの作出に成功した。ヒト乳腺上皮細胞MCF10Aを用いたaPKC-KD実験からも、前癌病変のモデルである異常細胞塊を生じた。その機構を更に詳細に解析し、ErbB2の転写亢進を原因とする事を見いだした。
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