研究課題/領域番号 |
17015002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60241577)
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研究分担者 |
柴田 浩行 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50260071)
加藤 俊介 東北大学, 病院, 講師 (40312657)
千葉 奈津子 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50361192)
下平 秀樹 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (70373214)
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キーワード | がん関連遺伝子 / 変異 / 機能解析 / p53 / BRCA1 / MLH1 |
研究概要 |
1.変異型p53を安定発現するヒト培養細胞樹立と機能解析:野生型p53よりも強いアポトーシス誘導能を有するS121F p53と、細胞質局在型のS121F-R306G p53ミスセンス変異体を用いて、スーパーp53のアポトーシス誘導能と細胞内局在との関連について解析を行い、S121F変異体は細胞質局在においても強いアポトーシス誘導能を有することを明らかにした。2.BRCA1がん抑制遺伝子産物およびその関連タンパク質の機能評価:BRCA1とヘテロダイマーを形成して働くBARD1タンパクに結合する新規タンパク質を同定した。本分子は、BRCA1によってユビキチン化されることが明らかとなり、BRCA1のがん抑制機構と関連が示唆された。また、新たなDNA修復タンパクとBRCA1との相互作用を明らかにした。3.大腸癌発癌に関連する遺伝子修復遺伝子産物およびその関連タンパク質複合体の機能評価:MLH1遺伝子の101種類のミスセンス変異に関して発現タンパク質の機能評価法を開発、45種類の変異は既知の機能評価報告とほぼ一致し、新規報告の56変異のも含めて信頼性が高く遺伝子診断における変異の解釈に有用と考えられた。4.乳癌の予後予測のための分子診断法の開発:少量の腫瘍組織から抽出したRNAから乳癌の予後予測を可能する20遺伝子のmultiplex-RT-PCR法を開発した。5.アポトーシス誘導能の高いp53変異体(super p53)を用いた癌遺伝子治療にむけた研究:Super p53を発現する各種アデノウイルスの抗腫瘍活性を検討したが、S121F Super p53を凌駕するものはなく、アポトーシス誘導を起こす遺伝子治療型のアデノウイルスとしてはS121FSuper p53が最も抗腫瘍活性が期待されると考えられた。6.TP53のアポトーシス誘導能を増強する化合物のスクリーニング:p53の機能を増強する化合物の探索においてクルクミンの新規類縁体化合物がp53の発現を増強させることを見いだした。
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