研究課題
1)癌における発現プロファイル異常の体系的解明癌細胞の発現プロファイル解析およびゲノム変異の解析 脳腫瘍、子宮体癌、前立腺癌、膵癌について臨床検体およびそれぞれの腫瘍に由来する腫瘍細胞株の発現プロファイル解析を進めた。ゲノムコピー数解析では、肝細胞癌の分化度の低下につれて染色体変異が増加し、コピー数が2本以上でもLOH(ヘテロ接合体の消失)を示すUniparental disomyも頻繁に認められた。オリゴデンドログリオーマでは従来認められている1p及び19qのLOHが確認された一方、1p/19qLOHがない症例では他の染色体異常が高頻度に認められた。発現情報データベースの構築 従来進めてきた正常組織、初代培養細胞、がん細胞株における発現プロファイルデータをさらに拡充し、U133Aに加えてBアレイデータのweb上での公開を行った。データベースから抽出された組織特異的発現遺伝子を用いることによって腫瘍の細胞系譜あるいは組織由来についての推定に成功した。2)「がん個性」診断アルゴリズムの開発統合ゲノム情報による新規診断法の開発 発現プロファイルデータの新たな分類アルゴリズムとして、特徴抽出の手法であるNon-negative Matrix Factorization(NMF、非負行列因子分解)を応用した。肺扁平上皮癌48例のNMF解析により扁平上皮癌は2つの予後の異なる亜型に分類された。前述の染色体変異解析のためにゲノタイピングアレイを用いたアレル別にコピー数を同定するアルゴリズムGIM(Genome Imbalance Map)を開発した。染色体コピー数と遺伝子発現量には正の相関が認められ、発現プロファイルの解釈にはコピー数を考慮することの必要性が示された。胃癌の発現プロファイルデータのメタ解析を行い、腸上皮の分化に関連するモジュールの発現の強さにより、胃癌を大別できた。また、胃癌の予後との関連が知られているPLA2G2Aと、腸上皮の形成に関与する受容体型チロシンキナーゼであるEPHB2の発現に密接な関連が認められた。3)新規バイオマーカーによる診断法の開発への展開癌細胞に高発現する膜および分泌タンパク質に対するモノクロナル抗体を作成し、癌細胞培養上清中への分泌の有無についての確認を進めた。
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