研究課題/領域番号 |
17015012
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
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研究分担者 |
井本 逸勢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30258610)
横井 左奈 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30372452)
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キーワード | がん / ゲノム / 個性診断 / 分子標的治療 / CGHアレイ / DNAメチル化 / ChIP法 / BAMCA法 |
研究概要 |
各種癌においてゲノム構造異常の解析を行い、検出した特異的異常から新規の癌関連遺伝子を同定しその機能を解析した。25種類以上の癌の総計約1000例を標準CGH法で解析しデータベースを構築した。本データベースは米国NCBI統合データベースに"CGH database Japan"として収載されている。続き総数7099個のBACクローンを搭載した高精度ゲノムアレイを構築し700例以上の各種癌を解析し新しい癌関連遺伝子を同定した。胃癌細胞株32例の解析から2q33.3ホモ欠失を見出し、癌抑制遺伝子候補ADAM23を同定し、多くの臨床例でプロモーター領域CpG島のメチル化でADAM23発現の消失を明らかにした。同一患者の大腸癌原発巣と肝転移巣の間でサブトラクティブCGHを行い6p21の高度増幅を肝転移巣に検出し、標的サイクリンD3(CCND3)を明らかにした。原発巣の免疫組織学的なCCND3蛋白発現の検出は肝転移予測マーカーになる可能性を示した。さらに肺非小細胞癌細胞株のCGHアレイ解析で9q33の新規ホモ欠失を見出し、その標的遺伝子DBC1を明らかにした。ホモ欠失のない例ではプロモーターのCpG島メチル化によりDBC1発現消失を認めることを明らかにした。アレイ技術の開発を進めてDNAメチル化領域の染色体ワイド検索法のBAC arfay-based MCA(BAMCA)法や蛋白結合DNA領域の染色体ワイド検出法のChIP on BAC-array法などアレイプラットフォーム上でのエピゲノム解析技術を開発した。実際、BAMCA法を用いて進行型神経芽細胞腫で高頻度DNAメチル化を受け発現消失する癌抑止遺伝子候補NR1I2を見出した。
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