研究課題/領域番号 |
17015020
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浜島 信之 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30172969)
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研究分担者 |
江口 英孝 財団法人放射線影響研究所, 放射線生物学・分子疫学部, 研究員 (00260232)
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キーワード | 遺伝子環境交互作用 / 遺伝子多型 / ピロリ菌 / 胃粘膜萎縮 / PTPN11 / Gab1 / 尿酸 / ecNOS |
研究概要 |
「特定研究領域4」の「分子疫学コーホート研究支援班」の支援の下に、10万人を対象とした日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)が開始された。本研究はこのコーホート研究参加者を主な研究対象とし、副次的に他の小規模な集団を対象とする。参加者の検診データ、研究目的で採取されたDNA、血漿、血清から、生体指標と遺伝子型の関連を横断研究により検索する。J-MICC Studyの募集については倫理審査委員会等の手続きのために開始が平成17年10月となったため、実際に検体やデータが中央事務局に集積されるのがそれ以降となる。そこで、平成17年度は2000年に収集したがん既往のない名古屋市の住民検診参加者454人の連結不可能匿名化されたデータセットと2003年に収集した北海道住民検診参加者812人のデータセットについて、遺伝子型との関連を検討した。住民検診参加者454人のデータセットでは、ピロリ菌抗体および胃粘膜萎縮の程度を表すペプシノーゲンを測定し、ピロリ菌がもつCagAに結合するSHP2の遺伝子であるPTPN11の多型とそのシグナル伝達に関与するGab1の遺伝子多型がピロリ菌抗体陽性者での胃粘膜萎縮への進展に関連することを確認した。北海道住民検診参加者812人のデータセットではアルコールの尿酸上昇作用がecNOS non5/5型を持つ者に、また歩行による尿酸低下作用がecNOS 5/5型を持つ者に顕著であることを示唆する知見を得た。
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