研究概要 |
特定研究領域4」の「分子疫学コーホート研究支援班」の支援の下に、10万人を対象とした日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)が開始された。本研究はこのコーホート研究参加者を主な研究対象とし、副次的に他の小規模な集団を対象とする。参加者の検診データ、研究目的で採取されたDNA、血漿、血清から、生体指標と遺伝子型の関連を横断研究により検索する。J-MICC Studyの検体については平成20年度も収集中であるが、このうち浜松にて収集された5,000検体についてNOS3のVNTR多型の検査が終了し、検診データとの関連を探索中である。また名古屋大学大幸医療センターにおいて収集された1,000検体についてACEを測定し、ACE遺伝子型との関連を解析中である。その他の既存データセットを用いた検討から新たに以下の点が判明した。1.健常者においてもIL-8-251AAの者は他に比べ、血清p53抗体が高い値(偽陽性者)を示す者が多かった。2.ピロリ菌抗体陽性者では高感度CRPが高めを示すものが多かった。3.CA19-9はLewis遺伝子型とSecretor遺伝子型に影響を受けるが、Le/Le型およびLe/le型では喫煙者に比較し非喫煙者で高値を示すものがあることが日本人およびウズベク人で確認された。4.TLR4の遺伝子型と血清ペプシノーゲンで測定した胃粘膜萎縮との関連が認められた。5.FGFR2の遺伝子型は女性で胃がんリスクと関連していた。
|