研究概要 |
特定研究領域4の「分子疫学コーホート研究支援班」の支援の下に、10万人を対象とした日本多施設共同コーホート研究(J-MICC Study)が開始された。本研究はこのコーホート研究参加者を主な研究対象とし、副次的に他の小規模な集団を対象とした。参加者の生活習慣、健診データ、研究目的で採取されたDNA、血漿、血清から、生活習慣や遺伝子型と生体指標との関連を横断研究により検索した。J-MICC Studyの検体については平成21年度以降も収集中であるが、これまでに浜松聖隷予防検診センターでは約5,000検体が、名古屋大学大幸医療センターでは4,600検体が収集された。また、北海道八雲町においても同様な生活歴質問票を用いた調査と検体収集を平成21年度に実施し、約500人についてデータを得ることができた。これらの対象を用いた解析から以下の知見が得られた。1.ACE活性は、男女ともACE II型、ID型、DD型の順に有意に低下していたが、ACEにより合成されるAngiotensin IIは女性でのみ血清値で低下していた。2.尿酸値はSLC22A12 (URAT1) W258XのXアレルを持つ者で低値であり、ABCG2A126XとQ141Kの126Xと141Kを持つ者で高値であった。3.TLR2-196-to-174del多型はピロリ菌持続感染と胃粘膜萎縮と関連がなかった。4.uPAP141LのLL型は有意にピロリ菌持続感染率が低かった。
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