研究分担者 |
栄鶴 義人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
杉原 一正 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00117516)
吉永 光裕 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (00221672)
北島 信一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (30347116)
郡山 千早 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30274814)
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研究概要 |
我々はこれまでに、中国、パキスタン、日本、南米チリ・コロンビアなどの食道扁平上皮癌および肺癌を対象に、HPV検出率が地域や組織型により大きく異なることを示し、いずれの癌においてもHPV16陽性例では殆どの場合、HPVが細胞DNAに組み込まれていること(BJC, 2007)、細胞当たりのHPVコピー数は平均0.1程度で、子宮頚癌で観察されるコピー数(100-1000)と比べると著しく少ないことを報告した。さらに日本、パキスタン、メキシコ、南米チリの乳がん症例においても同様の検討を行ったところ、HPV検出率に地域差を認め、パキスタンが28%と最も高く、チリが9%で最も低かった。メキシコも13%と低い傾向であった。一方、細胞当たりのコピー数は、チリやメキシコの症例において多い傾向を認め、HPV-16のコピー数は細胞当たり平均0.6程度であった。また日本の乳がん症例において、erbB2やホルモン受容体の発現、出産歴等との関連を検討したが、有意な関連は認めなかった(BJC, 2008)。またIARCとの共同研究で、母乳または初乳中のHPVゲノムの検索を行ったが、高リスク型HPVは検出されなかった(BCRT, 2009)。 一方、発がん過程における放射線曝露とHPVとの相互作用を検討する目的で、インドの高自然放射線地域から収集した口腔、食道、子宮頸部のがん組織と対照地域から得られた口腔、食道、子宮頸部のがん組織を用いてHPV検出率およびHPV genotypeの比較を行ったところ、上部消化管がんの高リスク型HPVの検出率および子宮頸がんにおける細胞辺りのHPVコピー数とも高自然放射線地域で高いという結果が得られた。インドでは、また、基礎的な調査として生活習慣や環境放射線とがんとの関連を検討し、環境放射線とがん(Health Physics, 2009)男性のBidi喫煙と肺がん(IJC, 2008)、女性の噛みタバコと口腔癌の関連の定量的評価を行った(BJC, 2009)。
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