研究課題
特定領域研究
近年、食道や肺など、子宮頸部以外の臓器のがんにおいてもHPVゲノムの検出が報告されており、これらのがんにおけるHPVの役割が注目されている。本研究では、HPVを中心としたウイルス関連がん・非関連がんの疫学的、臨床病理学的、ウイルス学的、分子生物学的な比較・検討を行って、放射線を含むさまざまな環境要因、生活習慣、ウイルス、遺伝子的背景の相互作用が発癌に与える影響に関する知見を得ようとするものである。食道がん、肺がん、乳がんにおけるHPVの検出率には地域や組織型による頻度の差があったものの、いずれの臓器においても10-30%前後の症例でHPVゲノムが検出され、そのほとんどが高リスク型のHPV16であった。また、ほとんどのHPV16陽性症例においてHPVゲノムが宿主DNAに組み込まれていることが確認されたが、ウイルスのコピー数は極めて少なく、細胞あたり0.1前後であった。これらの結果から、食道、肺、乳腺の発がん過程におけるHPVの役割は子宮頚がんとは異なる可能性がある。一方我々は、gefitinib治療への反応が良い肺腺がん症例においてHPV陽性率が非常に高いことや、自然放射線の高い地域では高リスク型HPVの検出率や細胞あたりのHPVコピー数が高いという結果も得ており、宿主要因や他の環境要因との相互作用の解明が今後の課題である。
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