研究課題
研究班のプロジェクト(JSPFAD)によるキャリア登録は平成14年秋から開始され、17年からは登録対象者を、疾患の右無にかかわらずHTLV-1感染者とした.これにより「HTLV-1感染者のバイオマテリアルリソースバンク構築」が可能になった。げんざいまでのべ2,319検体を登録。全権体でプロウイルスコピー数の定量と、末梢権津野幹線細胞数が20%を超えた検体に関してはクローナリティの解析を行なった。班員の個別研究も継続している。1)apoptosis誘発リガンドであるTRIALに対するATL細胞の感受性と治療法への可能性の検討。TRAIL抵抗性は外因性物質で解除でき、TRAIL-TRAIL受容体系は新しい治療の標的になる。2)キャリア約400名の、家族背景および感染細胞数を解析。10年以上の間隔で感染細胞数を測定した54名の解析から、感染細胞数が少ないキャリアでは有意の変化はなかったが、多いキャリアではほぼ全員感染細胞数が低下していた。感染細胞数の多いキャリアすべてがATLのハイリスクグループではない可能性がある。ATL血縁者と非血縁者での感染細胞数の比較では、前者で感染細胞数が有意に高い。ATLに家族発症が多いことは、HTLV-1の家族内感染のみに起因せず、感染細胞数の差による可能性がある。3)Non endemic areaでのキャリア対策として、18年度から東大医科研病院にHTLV-1キャリア専門外来を開設。4)抗レトロウイルス剤ritonavirによるくすぶり型、慢性型ATLを対象とした早期第II相臨床試験のプロトコールを作成。5)ATLに対する化療中にはHHV-6の再活性化は稀でなく、ウイルス量が高値を示す例があり、発熱と関連し、HHV-6再活性化はATLの予後に影響している。6)生体肝移植後の免疫抑制剤の使用中にATLを発症した3例を報告。7)連続公開講座「HTLV-1と疾患」を、平成18年4月から1年間、患者および感染者も参加して東大医科研で開催した。我が国初の教科書編纂が企画され、「HTLV-1と疾患」が、平成19年4月に発行された。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)
J Virol. 80
ページ: 2495-2505
Blood. 107
ページ: 679-688
J.Infect.Dis. 193
ページ: 68-79
Transplantation 82
ページ: 840-843
Drug News Perspect 19
ページ: 201-209