研究課題
多施設共同研究JSPFADプロジェクトは、キャリアのなかでATL発症のハイリスクグループを明らかにするために平成14年秋から行われている。全国のHTLV-I感染者から臨床情報と血液サンプルを収集し、末梢血プロウイルス量・sIL-2Rなどを測定し、末梢血感染細胞数が20%を超えた検体にはクローナリティの解析を行っている。プロジェクトでは平成20年まで登録を続け、その後コホートとして5年間ATL発症をフォローする。最終解析により、キャリアの中からハイリスクグループを絞り込み、将来薬剤等による発症予防の臨床介入研究につなげる事を目標とする。平成21年3月現在、研究協力施設は14都道府県42施設でほぼ全国を網羅し、約2,000人のHTLV-I感染者から約5000検体の血液サンプルを集積し、さらなる協力施設の拡大と充実により真の全国ネットワークを形成し、空白地域における新規拠点形成と、既存拠点の強化・拡大(「キャリア外来」設立)に取り組んでいる。また、インターネットによる情報交換の拡大に対応し、感染者および一般人を対象にしたホームページを立ち上げている。情報提供の手段としてのみならず、本研究班への研究協力者勧誘の手段としても機能している。ATL及びキャリア末梢血単核球の発現プロファイル解析から、ATL発症高危険群の新たな同定法として「RT-PCR Arrayを用いたATLの早期診断/発症予測法」の開発を続けており、これにより定義される「ATL型発現スコア」は無症候性キャリアをウイルス量とは異なる層別化に有効である。キャリア、家族背景および感染細胞数の解析などの班員の個別研究も継続している。JSPFADプロジェクトを通じて、世界に例のない「HTLV-I感染者のバイオマテリアルリソースバンク」を形成し、集積された臨床情報のデータベースと合わせて当該分野の研究基盤の確立を目指している。
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http://www.htlvl.org/