研究課題/領域番号 |
17015049
|
研究機関 | 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター) |
研究代表者 |
津金 昌一郎 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 予防研究部, 部長 (40179982)
|
研究分担者 |
岩崎 基 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 予防研究部, 研究員 (60392338)
大谷 哲也 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 予防研究部, 研究員 (70392339)
|
キーワード | ブラジル日系移民 / がん / 乳がん / 大腸腺腫 / 症例対照研究 / 断面研究 / 環境要因 / 遺伝的素因 |
研究概要 |
ブラジルに居住する日系人を対象として、がんの発生要因を解明し、日本人にとって効果的な予防法を開発するために、症例対照研究や断面研究などの手法を用いた疫学研究を行っている。 記述疫学研究では、1980年、1990年、2000年の死亡統計データを用いて、日本人、サンパウロ州在住日系人1世、ブラジル人の3つの集団の間でがん死亡の推移を比較検討した。3集団とも胃がん死亡は減少、結腸がん・乳がん・前立腺がん死亡は増加していた。日系人の死亡は、胃がん・結腸がんは日本人の値、乳がん・前立腺がんはブラジル人の値に近づきながら推移する傾向が見られた。 乳がんの症例対照研究は、サンパウロ州在住日系人(114例)と非日系人(421例)の症例と対照の収集が終了した。環境要因による発がんの影響を修飾する遺伝素因の役割についての検討を効率的に行えるように、さらに別の研究費により収集した日本在住日本人(406例)を加えた3つの症例対照セットに対して、DNAの抽出、候補遺伝子多型の選択と解析、食物摂取頻度調査票からの栄養摂取量の計算を進めている。 大腸腺腫の断面研究は、サンパウロ州在住日系人を対象に大腸腺腫保有に関連する要因を明らかにすることを目的に、プロトコールの作成、調査協力病院の確保と食物摂取頻度調査票作成のために24時間思い出し法による食事調査を行い、調査の準備を進めている。しかし日本側の倫理審査委員会の承認は得られたものの、ブラジル側の倫理審査委員会(施設及び国レベルの2段階)の承認を得るのに時間を要している。
|