研究課題/領域番号 |
17016002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白土 博樹 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (20187537)
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研究分担者 |
高田 英治 富山工業高等専門学校, 助教授 (00270885)
金子 純一 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90333624)
西山 修輔 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (30333628)
青山 英史 北海道大学病院, 助手 (80360915)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
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キーワード | 放射線治療 / 4次元放射線治療 / 定位放射線治療 / マイクロビーム / PET / FDG |
研究概要 |
1.GSOシンチレーター2台、光増倍管2台、専用鉛コリメーター2台にて同時計数率のMCS測定を可能とする試作し、同時計測法による体内腫瘍のポジトロン・エミッターの計測を行った。人体模型内としては、振幅が5- 15mmのアクチュエータを用い、肺に見立てた発泡スチロールを2個水槽に入れたものを試作した。この発泡スチロール内にポジトロン・エミッタ(微量22Na)を入れて擬似腫瘍の1次元的な頭尾方向の動きを再現し、その腫瘍の位置をほぼリアルタイムに計数率130cpsにて把握できることを示した。計測から予測された線源位置と実際の擬似腫瘍部位の差は5mm以内だった。2.FDGを指標としたヒト肺癌治療に於ける最適な標的体積(molecular target volume)の設定に関して、呼吸止めを用いたPETにて、その精度を研究した。その結果、3cm以上の腫瘍であれば、そのSUV最高値は実際の値に近いが、それ以下のサイズであるとpartial volume effectにより、実際のSUVよりも低値になることが確かめられた。3.線源からのガンマ線の放出に関するモンテカルロ計算により、同時計測法による体内腫瘍のポジトロン・エミッターの計測値との、大まかな一致を見たが、正常組織の取り込みによる誤差を除外するためには、Time of Flightなどの方法を利用するべきであることが判明した。4.放射線治療感受性の高い腫瘍細胞を2次元的な座榛を有するwell内に浮遊させたまま、電子線のミリビームを0.1mmの精度で照射できる装置を利用して、任意の座標上の細胞群に1 - 5mm系の照射を可能とした。5.線源からのポジトロンの放出、ポジトロン吸収による0.511MeVガンマ線の放出、ガンマ線のエネルギーに関するモンテカルロ計算により、ポジトロンエミッターの位置の把握は1mm程度まで期待できることが判明した。問題は、ガンマ線を捉える側の装置の解像能力であり、さらなる改良余地の可能性が示唆された。
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