研究課題/領域番号 |
17016016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小俣 政男 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90125914)
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研究分担者 |
金井 文彦 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (70334399)
田中 康雄 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員(助教担当) (40422290)
榎本 信幸 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305229)
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キーワード | 癌 / 遺伝子 / ゲノム / プロオミクス / 臨床 |
研究概要 |
1)Vitamin Kの投与が肝癌の門脈浸潤の減少、再発の抑制、予後の改善に寄与するか検討するための多施設共同試験をすすめた。さらに肝癌の発生.進展に関わるシグナル伝達の一つとしてヘッジホグシグナル系の解析を進めた。肝癌では本シグナルの抑制因子であるHIP(Hedgehog Interacting Protein)の発現が低下し、本シグナルが活性化することにより肝癌の増殖に関与している可能性が示された。さらにHIPの発現低下は一部メチル化を介していることも明らかにした。本結果をふまえ、脱メチル化剤などHIPを標的とした治療の可能性を検討すべく動物モデルを用いた基礎的研究を行なった。 2)アフィメトリクス社のGene Chip Mapping Array 100Kを用いて肝癌細胞株16種のゲノム構造異常の解析を行なった。細胞株においては核の多倍化などを含め、広範囲のゲノムの増幅を認めた。その中から10個の遺伝子を抽出し、臨床検体のコピー数の解析を行なった。肝針生検検体からマイクロダイセクションを用いて癌部・非癌部のゲノムDNAを抽出しリアルタイムPCRにて解析した結果、細胞株のゲノム異常は臨床検体のそれを反映していることが示され、今後臨床病理学的因子との関連を検討する予定である。さらにこれらの遺伝子を標的とした免疫療法に関する基礎的研究を行なった。 3)肝癌患者血清から2Dgel展開と質量分析により同定した新規肝癌生体マーカー候補について発現ベクター及び抗体の作成を行い、その生物学的機能を調べ新たな治療標的としての可能性を検討した。 4)GVTマウスモデルを作成し、質量分析にて同定した新規肝癌生体マーカー候補を標的とした免疫療法の開発に関する基礎的検討を行なった。
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