• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

RNA干渉の開発とがん治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17016018
研究機関東京大学

研究代表者

多比良 和誠  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10261778)

キーワードRNA干渉 / RNAライブラリー / アポトシス / シグナルトランスダクション
研究概要

がんの発症にはアポトシスの回避が重要なステップであると考えられており、アポトシスに関連する因子の探索、および、パスウェイの解析は、がんの発症メカニズムおよび、がん治療を考える上で非常に重要な課題となっている。本研究課題では、ヒト遺伝子に対するsiRNA発現ライブラリーを用いて、様々な薬剤や刺激によるアポトシスに関して、アポトシスを抑制、促進する遺伝子の探索を行うことにより、アポトシスのパスウェイを包括的に解析することである。本年度においては、二本鎖RNAによるアポトシスのパスウェイおよび、シスプラチンによるアポトシスのパスウェイに関して、約700クローンのsiRNA発現ライブラリーを用いて、スクリーニングを行った。二本鎖RNAによるアポトシスに関しては、HeLaS3細胞にsiRNA発現ライブラリーをトランスフェクションし、薬剤耐性を用いて、トランスフェクションされていない細胞を除いた後、リポフェションにより二本鎖RNAを細胞に導入し、アポトシスを誘導した。その後、生死の判定を、クリスタルバイオレットで染めることにより行った。その結果、このアポトシスに、新たに、JNK/SAPK依存的なミトコンドリアのパスウェイ、および、PKCα、MST2依存的なERK2のパスウェイが関与していることが判明した。シスプラチンによるアポトシスに関しては、siRNA発現ベクターを導入したときに相乗的にアポトシスを誘導する遺伝子の検索を行った。細胞は、大腸がん細胞HCT116細胞を用い、低濃度のシスプラチンを誘導したときに感受性の増強をクリスタルバイオレット染色による生死判定によって、調べた。その結果、Caspaseのインヒビターと知られているXIAP、HIAP、および、Suvivin、DUSPなどの遺伝子をノックダウンしたとき、シスプラチンによるアポトシスを増強することが分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] siRNA becomes smart intelligent.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyagishi, M., Taira, K.
    • 雑誌名

      Nature Biotech. 23

      ページ: 946-947

  • [雑誌論文] A20 is a negative regulator of IFN regulatory factor 3 signaling.2005

    • 著者名/発表者名
      Saitoh, T., Yamamoto, M., Miyagishi, M., Taira, K., Nakanishi, M., Fujita, T., Akira, S., Yamamoto, N., Yamaoka, S.
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 174

      ページ: 1507-1512

  • [雑誌論文] Gene discovery by ribozyme siRNA libraries.2005

    • 著者名/発表者名
      Akashi, H., Matsumoto, S., Taira, K.
    • 雑誌名

      Nature Rev.Mol.Cell.Biol. 6

      ページ: 413-422

  • [雑誌論文] Identification of a network involved in thapsigargin-induced apoptosis using a library of siRNA-expression vectors.2005

    • 著者名/発表者名
      Futami, T., M Miyagishi, M., Taira, K.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 826-831

  • [雑誌論文] Analysis of doubule-stranded RNA-induced apoptosis pathways using interferon-response noninducible small interfering RNA expression vector library.2005

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto, S., Miyagishi, M, Akashi, H., Nagai, R., Taira, K.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 282

      ページ: 25687-25696

  • [雑誌論文] Gene therapy for human small-cell lung carcinoma by inactlvaiion of Skp-2 with virally mediated RNA interference.2005

    • 著者名/発表者名
      Sumimoto, H., Yamagata, S., Shimizu, A., Miyoshi, H., Mizuguchi, H., Hayakawa, T., Miyagishi, M., Taira, K, Kawakami, Y.
    • 雑誌名

      Gene Ther. 12

      ページ: 95-100

  • [雑誌論文] Genome-wide application of RNAi to the discovery of potential drug targets.2005

    • 著者名/発表者名
      Ito, M., Kawano, K., Miyagishi, M., Taira, K.
    • 雑誌名

      Gene Ther. 12

      ページ: 95-100

  • [図書] Non-viral Gene Therapy : Gene Design and Delivery(Design of intracellularly active ribozymes and siRNAs.)(Taira, K., Kataoka, K., Niidome, T. Eds.)2005

    • 著者名/発表者名
      Miyagishi, M., Taira, K.
    • 総ページ数
      363-397
    • 出版者
      Springer-Verlag Tokyo

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi