研究課題/領域番号 |
17016048
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中山 睿一 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60180428)
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研究分担者 |
小野 俊朗 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教授 (50185641)
上中 明子 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (50273967)
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キーワード | がん抗原 / がん免疫療法 / がん・精巣抗原 / 蛋白ワクチン / 免疫モニタリング |
研究概要 |
1.新しいがん抗原の検索と発現解析 1)正常精巣由来のcDNAライブラリーを胃癌患者血清を用いてSEREX法による発現クローニング解析を行い、21種類の抗原を同定した(OY-ST-1〜21)。発現解析の結果、抗原OY-ST-2(GKAP1)は、精巣特異的であった。頭頚部癌では、28例中9例に発現を認めた。 2)ヒト内在性レトロウイルス(HERV)抗原は、前立腺癌cDNAを患者自己血清を用いてSEREX解析により見出された。HERV-K mRNAの発現を検討したところ、正常組織では前立腺にのみ発現を認め、癌では、前立腺癌、卵巣癌、悪性黒色腫に発現を認めた。HERV-K特異抗体の有無を検討したところ、悪性黒色腫(9.4%)、前立腺癌(1.7%)に強陽性者を認めた。 2.T細胞認識がん抗原の解析 XAGE-1bは、肺癌に特異的に発現する癌・精巣(CT)抗原である。DRB1^*0901およびDRB1^*0410拘束性CD4T細胞認識XAGE-1b抗原ペプチドXAGE-1b_<33-49>およびXAGE-1b_<37-48>をそれぞれ見出した。さらに、HLA-B^*5201拘束性CD8T細胞認識XAGE-1b抗原ペプチドXAGE-1b_<54-62>を同定した。 3.CHP-NY-ESO-1を用いたがんワクチン臨床研究 コレステロール疎水化プルラン(CHP)とNY-ESO-1蛋白複合体をがんワクチンとして投与する第一相臨床試験において、予定登録患者について投与を終了した。複合体投与の免疫誘導効果を患者血清、末梢血CD4およびCD8T細胞を用いて免疫モニタリングした。その結果、投与患者すべてにおいて抗体の産生を認めた。CD4T細胞およびCD8T細胞については9例中7例に反応細胞の増加を認めた。
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