研究課題/領域番号 |
17016053
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
|
研究分担者 |
久野 晃聖 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40380399)
内丸 薫 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60251203)
三浦 竜一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00322074)
|
キーワード | コモンマーモセット / 白血病 / bcr / abl / GM-CSF / 免疫遺伝子治療 / SAGE法 / ケモカイン分子 / VSV-Gシュードタイプレンチウィルスベクター |
研究概要 |
小型霊長類コモンマーモセット(CM)にヒト型白血病を作出することを目的に、5FUならびに免疫抑制剤にて前処置後のCM2頭の骨髄内にp190タイプbcr/abl遺伝子導入VSV-Gシュードタイプレンチウイルスベクター(PsLV)を注射し経過を観察したところ、接種後100日の段階で2頭中1頭の末梢血単核球中にbcr/abl遺伝子発現をRT-PCR法で検出した。そのため、さらに2頭に同様な前処置を行った後、p190タイプbcr/abl遺伝子導入PsLVならびにBclx遺伝子導入VSV-Gシュードタイプレトロウイルスベクターを接種し、現在経過を観察中である。まだこれらのマーモセット個体にはいずれも白血病の発症は認めておらず、今後さらに複数の遺伝子導入が必要になる可能性も考えられる。次世代免疫遺伝子治療用ベクターとしてSAGE(serial analysis of gene expression)法によりマウス自家腫瘍の増殖をGM-CSF遺伝子と協調的に抑制することができた遺伝子を検出し、その中で有望なケモカイン分子であるTARCならびにRAMESに注目して、これらのGM-CSF遺伝子導入腫瘍ワクチン細胞との相加効果を検討した。この結果、TARCならびにRANTESのリコンビナント製剤は共に、マウス腫瘍モデルにおいてGM-CSF遺伝子導入ワクチン細胞の抗腫瘍免疫誘導効果を増強した。これらのマウスにおいてはGM-CSF遺伝子導入ワクチン単独を接種したマウスに較べ明らかな腫瘍特異的細胞障害性Tリンパ球活性が証明された。現在TARCならびにRANTES発現センダイウイルスベクターを作製中であり、GM-CSFセンダイウイルスベクターとのin vivo抗腫瘍免疫誘導効果について本年度は特に解析し、臨床展開の可能性を検討していく予定である。
|