研究課題/領域番号 |
17016065
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
上田 龍三 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20142169)
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研究分担者 |
佐藤 滋樹 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (80254283)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
飯田 真介 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50295614)
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (60336675)
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キーワード | 抗体療法 / ケモカイン / CCR4 / CD10 / 抗体リモデリング |
研究概要 |
低フコース型キメラ型抗CCR4抗体が成人T細胞性白血病・リンパ腫(ATLL)に対し、強い抗腫瘍効果を示すことを報告してきた。作用機序としてADCCに注目し,SCID/ATLLモデルマウスにおいて、抗CCR4抗体はG-CSFとの併用により抗腫瘍効果の増強を確認し、G-CSFを投与したSCID mouse由来のマクロファージは、抗体依存性の貪食能を亢進することを明らかにした。また、CCR4がcutaneous T cell lymphoma (CTCL)の約半数に発現し、抗CCR4抗体は患者末梢血単核球存在下でCTCL細胞に強いADCCを誘導し、SCID/CTCLモデルマウスにおいて、生存期間の延長をもたらした。以上より抗CCR4抗体がCTCLに対する有望な新規抗体療法になり得る事を示した。また、ホジキンリンパ腫細胞はTARC/CCL17、MDC/CCL22を産生することで腫瘍周囲にCCR4陽性Treg細胞を能動的に集束させ、生体内で宿主の免疫監視機構から逃れていることを証明し、抗CCR4抗体がCD4+CD25+CCR4+陽性Treg細胞をdepletionさせ免疫監視機構回避を不可能にすることでホジキンリンパ腫に対する有望な新規抗体療法になり得る事を示した。改変抗体療法の開発では、機能性ペプチド/蛋白分子を効率的に腫瘍細胞に導入するdelivery systemを確立し、p16INK4aおよびp14ARF発現喪失ヒトグリオブラストーマ株を対象に、p16INK4a、p14ARF機能性ペプチドの同時導入による増殖抑制効果を確認した。また、p53にミスセンス変異細胞株で、p21CIP1とp16INK4a機能性ペプチドの導入により増殖抑制効果が得られ、脳腫瘍モデルマウスにて、ペプチド経静脈的投与により約1.5倍の生存期間延長を認め、本法が分子標的療法の有用な手段となりうることを示した。
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