研究課題/領域番号 |
17016068
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
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研究分担者 |
山形 哲也 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30424047)
佐々木 光 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60282638)
牧 和宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50337391)
江口 真理子 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40420781)
江口 峰斉 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50420782)
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キーワード | TEL / GATAL / ES / トランスジェニックマウス / 転写因子 / ヘモグロビン / アセチル化 / MOZ |
研究概要 |
1.TELトランスジェニックマウス及びES細胞の解析 GATA1遺伝子の赤芽球特異的調節領域の制御下にTELを発現するトランスジェニックマウス(Tg;BDF1)とES(J1)細胞を作製した。GATA1-TEL Tgではヘモグロビン値の増加が観察された。骨髄細胞をEPOの存在下で培養するとCD71high/TER119^+分画が、TPO存在下で培養するとc-kit^+/CD41^+分画が、GATA1-TEL Tgでそれぞれより高率に増加した。さらに、GATA1-TEL TgのCD71high/TER119^+分画では、ALAS-Eとβ-majorglobin mRNAの発現がより高値であった。このことは、TELがヘモグロビン生合成遺伝子の転写を活性化させることを示唆している。一方、day 7 EBの造血コロニー・アッセイでは、GATA1-TEL陽性細胞はより多くのBFU-Eを産生した。CFU-GEMMの数には差がなかった。以上の結果より、TELには赤芽球系前駆細胞を増幅し、ヘモグロビン蓄積を促進する機能があると考えられた。 2.TELのアセチル化による機能制御機構の解析 TELは抗アセチル化リジン抗体で免疫沈降されることから、アセチル化蛋白であることが明らかになった。変異体を作製して検討した所、TELのアセチル化部位は唯一Lys99であった。アセチル化変異体K99Rは、抗アセチル化リジン抗体で免疫沈降されず、放射性同位元素14Cを有するメチル基で標識されなかった。様々なアセチル化誘導酵素を検討した所、MOZが最も強くTELをアセチル化した。野生型TELの転写抑制能はMOZの共発現により減弱したが、K99R変異体では減弱しなかった。我々はすでにTELがEPKにより誘導性にリン酸化を受けて失活することを証明しているが、K99R変異体はリン酸化されないことから、Lys99のアセチル化はリン酸化の必要条件であると考えられた。
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