研究課題
臨床がん治療薬へ実用化を目指して、PEG-ZnPPの薬理作用、ADME試験、in vivo毒性実験、及びinVivo細胞毒性実験、特に光照射によるPDTの可能性を検討した。PEG-ZnPPはヒト正常細胞においてIC_<50>>100μM、多種のヒトがん細胞においてIC_<50>=14.3±6.4μMを示し、PEG-ZnPP治療の腫瘍特異性及び安全域が広いことが明らかになった。さらに、ヒトCML細胞では、IC_<50>=5〜10μMと高い感受性を示した。Glevec耐性のCML株においても同様な感受性が見られた。体内動態解析により、PEG-ZnPPの大幅な血中半減期の延長、EPR効果による時間依存的な腫瘍への集積、緩やかな糞便からの排泄、各組織中での時聞依存的な分解が明らかになった。In vivo 毒性実験において、90mg/kg(ZnPP相当)では、急性および慢性毒性がほとんど認められなかった。PEG-ZnPPを実用化する時のコストを考える上、PEG-2000を用いてPEG(2000)-ZnPP合成した。PEG(2000)-ZnPPは体内動態、代謝及び毒性試験においてPEG(5000)-ZnPPと同様な値を示した。さらに、PEG(2000)-ZnPPは顕著な抗癌活性を示し、Xenon光源の照射により薬効が大幅に増強されることが分かった。このことから、PEG-ZnPPが薪規抗癌剤としての実用性が高いものであることが益々明らかになった。次に、ブタ型recombinantD-アミノ酸酸化酵素(rDAO)の大量生産系を確立した。PEG-rDAOは従来のPEG-DAOより活性・安定性が高いことが分かった。腫瘍組織はカタラーゼ活性が正常組織と比べて低く、この治療に対する感受性が極めて高いことが明らかとなった。さらに、PEG-rDAOのin vivo抗腫瘍活姓は多種のマウス腫瘍モデルにおいて、優れた抗腫瘍効果が得られた。ところが、この治療において、DAOの補酵素であるFAD及び基質であるD-アミノ酸(D-プロリン)の投与の量とタイミングが非常に大事であるが認識され、今後の研究はFADとより強く結合するDAOの作製について検討したい。
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