研究課題/領域番号 |
17016079
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
長田 裕之 理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 主任研究員 (80160836)
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研究分担者 |
須藤 龍彦 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (30260227)
室井 誠 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (30261168)
植木 雅志 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (90312264)
清水 史郎 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 専任研究員 (30312268)
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キーワード | Epoxyquinol B / 血管内皮細胞 / VEGF / ビオチン / 血管新生 / 天然化合物 |
研究概要 |
これまで、主に微生物二次代謝産物から血管新生阻害剤のスクリーニングを行い、多くの新規天然化合物の同定に成功してきた。今年度は、その中で、VEGFで誘導される血管内皮細胞の遊走を阻害する化合物として単離されたepoxyquinol Bについてin vitroおよびin vitroにおける血管新生抑制効果の検討を行った。 Epoxyquinol Bは血管内皮細胞において、VEGF刺激で誘導されるVEGF受容体のリン酸化、引き続いて起こるPLCγおよびERKなどのリン酸化を阻害した。また、epoxyquinol Bは、in vitroでVEGF受容体のキナーゼ活性を直接阻害したが、 DTTなどの還元剤存在下ではその阻害効果は認められなかった。さらに、epoxyquinol Bは血管内皮細胞において、VEGF刺激だけでなくEGF、FGFおよびPDGF刺激で誘導されるERKなどのリン酸化も抑制した。また、Renca細胞を用いたin vivoの血管新生モデルをepoxyquinol Bは阻害した。以上のことから、epoxyquinol Bは、VEGF受容体だけでなく、EGFやFGFなどの受容体に直接作用することで、その酵素活性を阻害し、血管内皮細胞の遊走能亢進をin vitroおよびin vivoで阻害したことが考えられた。また、その作用点はおそらく、各受容体のシステイン残基であることが予想された。
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