研究課題
微量のヒト癌組織からオーダーメイドにプロテアソームを分離精製する事を可能にした。1,リコンビナント-ヒトhsp90α、の発現・精製を行った。2,2例のヒト癌組織からのライセートの調整およびプロテアソームのin vitroアッセンブリ;大腸癌及び周囲の正常組織約0.1〜0.6cm^3から細胞ライセートを作製し、hsp90αを加えて、プロテアソームのアッセンブリを行った。3,アッセンブリされたプロテアソームの精製系の確立;1、におけるリコンビナント蛋白は全て6xヒスチジンタグをそのN末側にもつ。Ni^<2+>アガロースでpull downし、これをnative-PAGEで分離しsuc-LLVY-amc及びboc-LRR-amcの加水分解活性を指標に活性を検出した(In-Gel hydrolysis assay)。4,native-PAGEゲルをニトロセルロース膜に転写し、特異的抗体を用いてプロテアソームの構造解析を行った。結果)0.1cm^3ほどのヒト癌組織又はその周囲の正常組織より酵素活性を有したプロテアソームを再構成し、分離精製できた。得られたプロテアソームはハイブリッド型とホモPA28型が主体であり、キモトリプシン様活性を有していた。しかし、トリプシン様活性は正常組織より回収したホモPA28型プロテアソームで極めて高いのに対し、癌からの活性は微弱であった。また、品質管理E3ユビキチンリガーゼと呼ばれるCHIPが両方の組織のホモPA28型プロテアソームに会合していた。20Sコアについては、正常組織ではXタイプ優位のスタンダード型が、癌組織では免疫プロテアソームのタイプが優位であった。以上より極微量(〜0.1cm^3)の凍結癌組織からhsp90αを用いてプロテアソーム再構成を促し、精製分離できることが明らかにされた。これらのプロテアソームを用いて癌ペプチド前駆体の切断実験が可能と判断された。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 102
ページ: 16001-16006