研究概要 |
1.悪性黒色腫細胞6株(92-1,MeWo,Colo679,HMV-I,HMV-2,C32TG)に2Gy照射し、オリゴDNAアレーにより遺伝子発現を非照射細胞と比較した。結果、照射1時間後では炭素線の方がX線よりも変動した遺伝子数が多く、またこれら変動した遺伝子群中には、CDKN1A,GADD45A,FOS,NFKB1Aなどが多くの細胞で共通して含まれていた。 2.腫瘍のみを炭素線照射した担ガン(NFSa線維肉腫)マウスに2-[14]C-Thymidineを静脈注射し,その腫瘍集積率を解析した。照射12時間後の早期に,照射線量およびLETに依存した集積率の低下が認められた。この集積率低下は,腫瘍体積を指標にした増殖遅延に極めて近似していた。 3.腸管炭素線照射後におけるbFGFの発現を調べることを目標とした。結果、分割照射中におけるクリプト近辺におけるbFGFの局所発現と,その受容体は異なる経時的発現動態を示し,両因子が伴に腸管近傍に発現しているときに,放射線耐性を示していることが推察された。 4.炭素線により生ずる高次脳機能障害発現について,マウス脳を照射した。結果、虚血脆弱性部位である海馬の毛細血管密度の低下が,壊死を引き起こし,その影響が非照射領域および脳全体の壊死を誘発することが明らかになった. 5.[18]F-FDGと[14]C-FDGとを用いたDual Tracer Autoradiography法によりインビボにおける糖の取込み過程(早期画像)とヘキソカイネースによるリン酸化の過程(後期画像)をNFSa線維肉腫の同一切片上で比較した。結果、両者の間に極めて大きな乖離がみられた。 6.金属ターゲットを用いた[61、62]Cu製造の最適照射条件、分離精製条件を決定し,腫瘍内の低酸素領域に集積することが推察される[61、62]Cu-ATSMの最適標識合成条件を確立した。
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