研究課題
1)遺伝子発現ベクターキャッピング法による酵母の全長cDNA解析の成果を論文として発表すると同時にUTゲノムブラウザを通してデータを公開した。我々はこの解析によって、3,599ORFを含む3,638既知遺伝子に関して11,575の転写開始点(TSS)を同定し、酵母では大半の遺伝子が複数のTSSを持つことを明らかにした。また45個の新規イントロンを見出し、4個の既知イントロンの位置を修正した。更に、遺伝子間領域由来の新規転写単位、アンチセンス転写単位、ORF内TSSを持つ転写単位を、それぞれ少なくとも667、367、348個同定し、出芽酵母トランスクリプトームの予想外の複雑さを明らかにした。2)蛋白質問相互作用蛋白質相互作用を多数同時に定量するために、定量に用いるペプチドを縦列に連結した人工タンパク質(PCS)をン用いるPCS-MS法を開発した。PCSではペプチドがコンカテネーションされて一つの分子となっているので、全ペプチドが必ず等モルでサンプルに添加され、各ペプチドが前後3残基のフランキング配列を保持することで各標的タンパク質における切断効率を正確に反映するように設計されており、正確な定量が可能である。3)細胞内代謝産物大腸菌PBPの一種であるHisJを骨格とするヒスチジンのFRETセンサーFLIPhisのHisJ部分に円順列変異を加えることで、従来のFLIPhisとは反対にアミノ酸結合によってFRET効率が増加し、ダイナミックレンジも拡大したセンサーの開発に成功した。この手法は一般性の高いものであり、FRETセンサー化できるPBPの範囲を拡大という意味でも有効な手法として期待される。一方、計測手法に関してはFCMによる計測に成功し、統計処理に耐え得る数のデータを迅速かつ高感度に取得できる目途が立った。
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