1.植物二次代謝物フラボノイドの構造データベース作成 植物二次代謝の代表カテゴリであるフラボノイドの化学構造およそ7000種を文献から取得し、電子化した。その構造に基づいて4階層の構造分類表を作成し、全ての分子種をその分類の中に位置づけた。分類は母核構造、導入水酸基の位置、配糖体等の修飾パターンの順で生合成経路も加味しながら分ける仕組みであり、その分類を反映した12桁のID番号付けもおこなった。 2.フラボノイドの生合成マップブラウザ作成 データベースに含まれるフラボノイドの生合成経路や構造間の関係を把握できるように、生合成経路の代謝マップブラウザを作成した。化学系で標準的に利用されるお絵かきエディタChemDraw^<TM>(Cambridge Software)で作成したPostScript画像から文字列を自動認識し、データベース中の代謝物情報と自動的にリンクする。 3.生理活性脂質のデータベース作成 日本脂質生化学会の中でデータベース構築委員会を結成し、そのメンバーとしてLipidBankデータベースの刷新作業に携わった。構造をきれいに描きなおした分子数はおよそ3500、LipidBankに含まれる分子数のおよそ半数にあたる。従来のLipidBankデータベースの検索機能を充実させるなど、学会活動に積極的に関与しつつ、新しいデータベースへのデータ移行、整理を進めた。 4.代謝の総合情報を発信するポータルmetabolome.jpの構築 若手研究者や一般の人々が代謝に興味を持てる話題を集めた日本語ポータルサイトを構築し、開発するソフトウェア、データも全てそこからダウンロードする形にした。
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