研究概要 |
ジョウジョウバエの遺伝子を強制発現もしくは阻害したとき翅脈に生じる微小な表現型変化を検出するソフトを改良した。専門家の手作業計測とほぼ一致するまで翅脈区画面積と細胞数の精度が向上した。560の変異体と調べ、「区画面積増加時には各細胞のサイズが小さくなる一方で細胞数が異常に増加する」ことを見出した。 転写開始点周辺のヌクレオソーム構造が遺伝子の機能や進化に与える影響を解析し始めた。動機は、転写開始点の網羅的収集技術の発達とヌクレオソーム位置を推測するモチーフの発見にある。メダカの2つの近交系(Hd-rR, HNI)ゲノムを題材に、ヌクレオソーム位置の進化への影響を調査した。その結果、「転写開始点下流では遺伝子変異率が約200bp毎に周期的に変化しヌクレオソームのリンカー位置と同期しており、転写共役修復系遺伝子が関与している」ことを見出した。 ヒトゲノム上の欠損部位を測定するタイリングアレーのためのプローブを設計し、表現型(疾患)と遺伝子型(SNP)を推定するアルゴリズムの研究をおこなった。 出芽酵母の必須遺伝子の機能を破壊株の微妙な表現型変化から推定することに取組んだ。必須遺伝子のため2倍体の片方だけ破壊するが、1倍体の非必須遺伝子破壊株にない例外的な形態が生じる。画像処理ソフトウエアを完成し、画像解析を行い、遺伝子機能解析へと順調に研究を進めている。 メダカ、カイコ、酵母、ショウジョウバエのゲノムブラウザーを構築し、メダカに関しては海外のweb serverであるEnsemblとUCSCと接続し、酵母はSGDと接続を行った。
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