研究概要 |
ベクトル自己回帰モデルを用いると, パラメータ数が観測時点数よりも大きくなるため解の不定性の問題が起こるが、この問題を, 次元圧縮を考慮した状態空間モデルから次元制約つきの自己回帰過程を導出することで克服し大規模な遺伝子ネットワーク推定を実現した.また, 状態空間モデルに基づいた統計的モデルを構築し, 生物的/技術的リプリケートをうまく使えるようにし, それに基づいた遺伝子ネットワーク推定のアルゴリズムを提案した.さらに, LI正則化ノンパラメトリックベクトル自己回帰モデルによる遺伝子ネットワーク推定手法を開発し, 基底関数の数に比例してパラメータが増加するという問題を解決した.半順序制約を用いたベイジアンネットワークの構造学習アルゴリズムeKNアルゴリズムを開発した. Gell System Ontelogyに基づいて記述された動的パスウェイを妥当なものであるかを検証するための方式を開発した.これにより, 動的パスウェイに対して, オントロジーを用いた論理推論などの知識処理の枠組みを構築した.また, TRANSPATHからGSML形式に変換する方式を開発した.さらに, 大きなサイズのパスウェイを高速にレイアウトするsweep calculation法というアルゴリズムを開発した. 外部からの光がサーカディアンリズムに与える影響を, マウスの5つの時計遺伝子からなるモデルをハイブリッド関数ペトリネットで構築し, シミュレーション解析により, これら5つの時計遺伝子からなるフィードバックループ機構が光による時刻依存的な位相シフトを起こさせていることを見出した.また, リカレントニューラルネットワークによる細胞内反応経路の脆弱・頑健部位の推定法を開発した.
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