研究課題
平成19年度は以下の成果を得た。1、ネットワーク構造生成に関する研究原核生物の生育温度と代謝ネットワーク構造の関連性を調べるために、113種類の生物を対象にKEGGデータベースなどを用いて、辺密度、次数分布、クラスター係数、部分グラフの分布の解析を行った。その結果、生育温度が低くなるにつれ、構造化やモジュール化が進展することを見出した。2、ネットワーク構造解析に関する研究緑膿菌の代謝ネットワーク予測に関する実験系研究者との共同研究を論文としてまとめた。また、代謝系のモジュール構造解析のために、代謝系の低分子化合物(活性化因子、阻害因子)による制御構造をBRENDA, EcoCyc, KEGGデータベースの情報をもとに構築し、予備的な解析を行った。3、ネットワーク動的挙動解析に関する研究(1)一般的な進化動力学モデルに対する統計力学的研究を進め、系の安定性や個体数、蛋白量、代謝物質量などの様々な生物量の分布を与える理論を構築した。特に、外界から流入する資源量に対する依存性を解析的に得た。(2)ネットワークの定常状態解析のために、確率ブーリアンネットワークを用いた研究を行った。計算の高速化のために、確率の小さなブール関数を無視するとの近似手法を提案し、さらに、その近似により生じる誤差の数理解析を行うとともに、計算機シミュレーションにより有効性を示した。実験生物学者との共同研究として、神経細胞形態形成を数理的に研究した。ある種の神経細胞は、樹状突起を曲面上で、むら無く一様に分布させることから、space filling typeと呼ばれる。この神経細胞の空間秩序の原理を理解する数理モデルを構築し、解析した。解析により、樹状突起がもつ3つの空間制御:一様分布、空間分割、再生が同一の原理によって理解できることを示した。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (12件)
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