研究課題
ショウジョウバエのゲノムには約14,000の遺伝子が存在する。各遺伝子について変異体を作製して、その表現型を解析することにより、それらの機能に関する情報を得ることができる。本研究では、1)ゲノムの遺伝子機能を高感度にとらえることを目的として、計算機を使って変異体の表現型を評価する解析法を開発する。また、2)機能的重複の実態を解明するためのモデルとして、類似の機能をもつと推定されるファミリー遺伝子のいくつかに焦点をあて、それらの機能的相同性、異質性を明らかにする。ショウジョウバエのゲノム情報がアップデートされたため、各GS系統におけるマップ情報の大幅な見直しを行った。同時に、ベクター挿入サイトを決定するために用いたベクター隣接配列を見直し、信頼性が高いものだけを使ってマッピングを行った。ベクター隣接部位のゲノム配列を決定するために、Ligation-mediated-PCR法を確立した。この方法では、挿入系統のゲノムDNAを抽出し、制限酵素で切断したあと、ベクター配列を含む断片を特異的に増幅する。従来の方法に比べて効率よく、隣接配列がとれるようになった。マッピングを試みた約16,000系統のうち、約11,000系統について、高い信頼性で挿入位置を決定することができた。個々の系統の情報は、ベクター隣接配列、GAL4存在下で強制発現される遺伝子(センスあるいはアンチセンス)、および表現型情報とともに、DGSPのデータベース(http://gsdb.biol.metro-u.ac.jp/%7Edclust/)に公開した。これらのGS系統をsd-GAL4系統に交配して、GSベクター下流の遺伝子を強制発現させたときの翅画像を取得した。現在までに、約3,000系統について、交配が終了し、系統あたり、雌雄それぞれ10個体分の翅画像を取得した。そのうち、約2,800系統分については、共同研究者の森下研で作製したDrosophila Phenome Serverに登録し、翅の形態に関するパラメータを取得した。
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