研究課題/領域番号 |
17017038
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
杉本 亜砂子 独立行政法人理化学研究所, 発生ゲノミクス研究チーム, チームリーダー (80281715)
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研究分担者 |
大浪 修一 独立行政法人理化学研究所, 合成ゲノミクス研究チーム, 上級研究員 (50348843)
京田 耕司 独立行政法人理化学研究所, 合成ゲノミクス研究チーム, 研究員 (30415145)
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キーワード | 線虫 / RNAi / 細胞分裂 / 表現型 / 画像処理 / 胚発生 |
研究概要 |
線虫C.elegansのゲノムには約20,000遺伝子が存在し、これらの遺伝子が時間的空間的に厳密に制御されて発現し機能することによって発生プログラムが進行する。この遺伝子ネットワークを理解することをめざして、本研究では以下の研究を実施した。 1)コンピューター解析で使用できる表現型の記録法の確立とデータ取得:細胞分裂パターン測定装置を使い、RNAiにより胚性致死を引き起こす約200遺伝子についての細胞分裂パターンの測定を終了した。また表現型をより詳細に解析するためのマーカーとして、細胞内構造を標識する抗体およびGFP融合蛋白質を発現する株を多数構築した。 2)表現型データのコンピューター解析:初期卵割パターンに異常を示す遺伝子群について、細胞分裂パターン測定装置およびGFP・抗体マーカーを用いてさらに詳細な表現系解析を行っている。細胞分裂パターンデータより算出が可能な細胞分裂の特徴の定量的な指標を146種類、数学的に定義しRNAi胚の細胞分裂パターンの異常を統計的に検討し、194種の未知の表現型を同定した。また、1)で構築したGFP株を用いて、細胞骨格系タンパク質等の初期胚におけるライブイメージングを行い、タンパク質動態の定量的評価方法を構築した。 3)定量的表王型解析とシミュレーションを組み合わせた研究戦略の開発:2)で確立したGFPマーカーのライブイメージング画像解析を用いて、1細胞期胚の細胞質分裂における微小管の役割、および、前後軸確立におけるアクチン細胞骨格の制御機構を明らかにした。GFP画像処理を使った定量測定と計算機シミュレーションを組み合わせ、1細胞期胚の核の中央化、脱中央化の動きを支配する"核に働く力"の空間分布の時間変化を解明した。
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