研究課題
形質膜におけるK-Ras、H-Rasの活性化の時空間的制御を解析した。CFP-YFP FRETに基づくRasの指示薬RaichuのC末端にK-RasおよびH-RasのC末端を付加してK-Ras、H-Rasの活性化を可視化する指示薬を作製した。K-Rasは形質膜のラフト領域に代表されるmicrodomainに、H-Rasは形質膜の非ラフト領域に局在することから、それぞれ、ラフト領域、非ラフト領域におけるRas活性を可視化できると考えられる。細胞外のEGF(上皮成長因子)に添加により、ラフト領域のRas活性が、非ラフト領域のRas活性よりもより迅速に増強することが観察された。ラフト領域におけるEGF受容体および複合体のリクルートが推測される。以上の観察は、z軸方向の分解能を高めることによって可能となる。キセノンランプを備えた通常のwide-field顕微鏡の投光管の視野絞り位置に、DMD(digital micromirror device)を搭載したものを開発し、サンプルにおける照明のパターンを制御できるようにした。さらに縞投影(fringe projection technique)を組み合わせて、蛍光シグナルのz軸断層像を容易に取得できるようにした。実際には、three-step phase shift methodを採用して、通常の蛍光画像と断層像とを同時に観察できるシステムとした。レーザーを使う共焦点レーザー走査型顕微鏡観察と比べてより槌色の少ない、定量生の高いFRET観察が可能となった。
すべて 2007
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Cell Struct. Func. (In press)